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TEXT:鈴木雅暢 |
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ハイエンドからローエンドまで世代交代完了
アプリの対応も進行中 |
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最新CPU徹底検証 |
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最新CPUのリリースラッシュや価格改定による価格変動も一段落、Intel、AMDともにハイエンドからローエンドまでの新ラインナップが一通り出揃った。
Intel製CPUでは、ハイエンドのCore 2 Extreme、メインストリームのCore 2 Quad/Core 2 Duoに続き、Pentium Dual-Core/Celeron(400番台)が加わり、実売価格が数千円台のローエンドクラスまでCoreマイクロアーキテクチャへの置き換えが完了。高性能なデュアルコアCPUが1万円前後で入手できるようになるとともに、これまでのIntelのローエンドCPUにはなかった低消費電力という要素も加わり、低価格帯の製品がいよいよ魅力を増してきた。
主力となるメインストリームクラスでも、7月末にシステムバス1,333MHz対応の新型Core 2 Duoが登場。しかも、価格はこれまでのシステムバス1,066MHzモデルよりも一段階安く設定されており、上位モデルの買い得感が非常に高くなっている。さらに、同じタイミングでCore 2 Quad Q6600がそれ以前の半額近い価格まで値下げされたことから、マニア層の注目を一身に集める存在となった。また、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXやカプコンのロスト プラネットなどといった、4コアのメリットが活かせるマルチスレッド対応アプリケーションも徐々に増えてきており、クアッドコアの本格的普及も近いと思わせるような状況になりつつある。
一方、ライバルのAMDは、新ブランドのAthlon X2がTDP 45Wという低消費電力を武器に順調に立ち上がっており、既存モデルも思い切った低価格攻勢により、勢いを回復しつつある。CPUだけでなく低価格なマザーボードが揃っているのも強みで、低価格帯を中心に存在感は大きい。
このように、ここしばらくの間は技術的にはそれほどの大きな変化はなかったものの、半年ほど前とはラインナップも価格も大きく異なるなど、エンドユーザーから購入を前提として見た場合の状況は大きく変わってきている。本項ではベンチマークテストを通じて各CPUの特徴や個性を明らかにした上で、用途ごとの適切な製品選びのアドバイスや、CPUの性能を活かす設定方法、マザーボード選びまでフォローしていきたい。
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システムバス1,333MHzモデルやTDP 45Wモデルなど、新世代CPUの性能が向上 |
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Core 2 Duoはシステムバス1,333MHz対応した高性能モデルが登場。価格もリーズナブルで、相変わらず人気が高い。ライバルAMDはTDP 45WのAthlon X2の投入と価格攻勢で対抗する |
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大幅値下げにより、一気に普及が進行したクアッドコアCPU |
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これまで存在感が薄かったクアッドコアCPUが、大幅値下げで一気に身近な存在に。対応アプリケーションも増えており、マニア層を中心に熱い注目を集めている |
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低消費電力とデュアルコアの高性能が低コストで手に入る注目モデル |
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AMD |
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Athlon X2 |
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対応ソケット:Socket AM2
コア数:2
64bit機能:AMD64
省電力機能:Cool'n'Quiet
TDP:45W |
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2007年からAMD CPUのラインナップに追加されたローエンドブランド。内部構造はAthlon 64 X2と共通だが、TDPは45Wと低い。アルファベット2文字と4桁の数字による新しいモデルナンバーを採用している。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Athlon X2 BE-2350 |
2.1GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
12,000円 |
Athlon X2 BE-2300 |
1.9GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
11,000円 |
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Coreマイクロアーキテクチャ 普及を加速する低価格デュアルコアCPU |
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Intel |
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Pentium Dual-Core |
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対応ソケット:LGA775
コア数:2
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:65W |
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Core 2 Duoの下位に位置付けられるエントリークラス向けデュアルコアCPUブランド。Core 2 Duoと同じCoreマイクロアーキテクチャを採用するデュアルコアCPUだが、2次キャッシュの容量は1MBと少なくなっている。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Pentium Dual-Core E2160 |
1.8GHz |
1MB |
800MHz |
13,000円 |
Pentium Dual-Core E2140 |
1.6GHz |
1MB |
800MHz |
10,000円 |
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システムバス1,333MHz対応でさらに強力になった定番デュアルコアCPU |
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Intel |
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Core 2 Duo |
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対応ソケット:LGA775
コア数:2
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:65W |
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Intelの主力デュアルコアCPU。2次キャッシュが4MBのE6000シリーズと、2次キャッシュ2MB/システムバス800MHzのE4000シリーズがある。E6000シリーズはシステムバス1,066MHzモデルとシステムバス1,333MHzモデルがあり、後者が前者に置き換わりつつある。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Core 2 Duo E6850 |
3GHz |
4MB |
1,333MHz |
37,000円 |
Core 2 Duo E6750 |
2.66GHz |
4MB |
1,333MHz |
26,000円 |
Core 2 Duo E6550 |
2.33GHz |
4MB |
1,333MHz |
23,000円 |
Core 2 Duo E6700 |
2.66GHz |
4MB |
1,066MHz |
42,000円 |
Core 2 Duo E6600 |
2.4GHz |
4MB |
1,066MHz |
30,000円 |
Core 2 Duo E6420 |
2.13GHz |
4MB |
1,066MHz |
25,000円 |
Core 2 Duo E6320 |
1.86GHz |
4MB |
1,066MHz |
23,000円 |
Core 2 Duo E4500 |
2.2GHz |
2MB |
800MHz |
19,000円 |
Core 2 Duo E4400 |
2GHz |
2MB |
800MHz |
17,000円 |
Core 2 Duo E4300 |
1.8GHz |
2MB |
800MHz |
16,000円 |
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コストパフォーマンス重視派は見逃せない超お買い得メインストリームモデル |
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AMD |
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Athlon 64 X2 |
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対応ソケット:Socket AM2
コア数:2
64bit機能:AMD64
省電力機能:Cool'n'Quiet
TDP:125W(5600+以上と、5200+の一部のモデル)、65W(5200+の一部と5000+以下のモデル) |
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AMD CPUの主力をになうデュアルコアCPU。幅広いラインナップが用意されているが、上位モデルのみTDPが125Wと高い。8月に限定モデルとして3.2GHzのAthlon 64 X2 6400+ Black Editionが追加されたばかり。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Athlon 64 X2 6400+ |
3.2GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
32,000円 |
Athlon 64 X2 6000+ |
3GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
23,000円 |
Athlon 64 X2 5600+ |
2.8GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
20,000円 |
Athlon 64 X2 5200+ |
2.6GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
18,000円 |
Athlon 64 X2 5000+ |
2.6GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
16,000円 |
Athlon 64 X2 4800+ |
2.6GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
15,000円 |
Athlon 64 X2 4400+ |
2.3GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
13,000円 |
Athlon 64 X2 3800+ |
2GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
9,500円 |
Athlon 64 X2 3600+ |
1.9GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
8,000円 |
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Intel |
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Core 2 Quad |
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対応ソケット:LGA775
コア数:4
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:95W(G0以降のリビジョン。B0以前のリビジョンでは105W) |
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メインストリーム向けのクアッドコアモデル。Core 2 Extreme QXと同じデュアルコア×デュアルダイ構造のクアッドコア。下位モデルのQ6600は、7月の価格改定で大幅に値下げされたことで、一躍脚光を浴びる存在となっている。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Core 2 Quad Q6700 |
2.66GHz |
4MB×2 |
1,066MHz |
73,000円 |
Core 2 Quad Q6600 |
2.4GHz |
4MB×2 |
1,066MHz |
37,000円 |
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Intel |
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Core 2 Extreme |
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対応ソケット:LGA775
コア数:4
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:130W |
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Intelのラインナップの頂点に君臨するフラグシップブランド。QXシリーズはデュアルコアのダイを二つ実装したクアッドコアCPUで、8MBの2次キャッシュを内蔵する。最上位モデルのQX6850は3GHzで動作し、システムバス1,333MHzに対応。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Core 2 Extreme QX6850 |
3GHz |
4MB×2 |
1,333MHz |
136,000円 |
Core 2 Extreme QX6800 |
2.93GHz |
4MB×2 |
1,066MHz |
133,000円 |
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モバイル向けCPU並みの低消費電力を実現したローエンドモデル |
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Intel |
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Celeron |
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対応ソケット:LGA775
コア数:1
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:35W |
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Core 2シリーズと共通のCoreマイクロアーキテクチャベースにリニューアルされたバリューブランド。シングルコアでシステムバス800MHz、512KBキャッシュという控えめな仕様だが、TDPは35Wとかなり低い。 |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Celeron 440 |
2GHz |
512KB |
800MHz |
8,500円 |
Celeron 430 |
1.8GHz |
512KB |
800MHz |
7,000円 |
Celeron 420 |
1.6GHz |
512KB |
800MHz |
6,000円 |
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