秋葉原などで中古ゲームやDVDを販売する「TRADER(トレーダー)」の家庭用ゲーム部門責任者を務める小林俊一さん。1日のうちに価格がめまぐるしく変動する“激戦区”を見つめる小林さんに、中古市場の“今”を語ってもらいます。さて今回の注目は……。
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新型の発売以降、PSPの人気が止まりません。「クライシス・コア~ファイナルファンタジー(FF)7」(スクウェア・エニックス)、「フェイト/タイガーころしあむ」(カプコン)といった最近のタイトルから、「FF1」(スクウェア・エニックス)、「FF2」(同)などの定番もよく動いており、PSPタイトルの在庫が乏しくなってきました。新作の「英雄伝説 空の軌跡SC」(ファルコム)も若干買い取りに来ましたが、すぐに売れていきました。
発売から約1カ月経過したこともあって、「アナザー・センチュリーズ・エピソード(A.C.E.)3 ザ ファイナル」(PS2、バンプレスト)の買い取りがどっと増えています。売れ行きも好調で、「スーパーロボット大戦OG」(同)と同様にとてもいい商材になっています。
Xbox360期待のタイトル「ヘイロー3」(マイクロソフト)が発売され、アキバでも大人気だったのですが、限定版は輸送の際にディスクにキズがつきやすい仕様になっているので、買い取りでちょっと問題が起きています。サイトには交換するということは明記されていませんし、せっかく良いタイトルなのに、こういったアフターサービスが良くないのはいただけませんね。
DSライトの新色「クリムゾンブラック」が出ましたが、今週のアキバは、静かでした。DSライトもかつての勢いはありませんし、PS2とWiiで「ドラゴンボールZ スパーキングメテオ」(バンダイナムコゲームス)、「実況パワフルメジャーリーグ2」(コナミ)が出ますが、どちらもアキバのお客さん向けのタイトルではありません。唯一気になるのが「ガンダムバトルクロニクル」(PSP、バンダイナムコゲームス)。やり込み要素も豊富で個人的にも楽しみな作品です。FFの坂口博信さんが手がけた「アルカイックシールドヒート」(DS、任天堂)は大苦戦しそう。CMや雑誌のプロモーションのタイミングが余りにも遅すぎます。完全オリジナルタイトルなのだから、もっと前からきちんと告知してもらわないと、出たことすら気づかないユーザーも出るのではないでしょうか。
◇プロフィル
小林俊一(こばやし・しゅんいち) 中古ゲームショップTRADER 家庭用ゲーム部門責任者
中古専門店「TRADER」設立時からの古参社員で、秋葉原・新宿店の家庭用ゲームすべての価格設定などを担当。ゲームの販売・仕入・卸などゲーム流通業界一筋で、趣味と経験を生かして、オールドゲームから海外ゲームまで精通しており、プレーでも、スポーツゲーム以外なら何でもOKだが、最近は忙しくて通勤中に「モンスターハンター2nd」をするのがやっとという毎日。
2007年10月4日