楽しさや活力をもたらしてくれる半面、大量のごみなどの問題を抱えるイベントに、参加者を巻き込んだ環境配慮型の運営が広がりつつある。
九月に倉敷市内で「ごみ排出ゼロ」を掲げた野外ライブが行われた。前もって参加者に、マイバッグやマイ食器の持参を呼び掛けた。会場に設けられた五十余りの模擬店でも包装紙を省いたり、再利用可能な食器を用いたりしてごみの排出削減に努めた。
しかし、こうした取り組みは全体からするとまだまだ少ない。NPO法人津山市消費生活モニター連絡会は「より多くの主催者に」と今春、岡山県美作県民局との協働事業として環境に優しいイベントのマニュアルを作成した。
倉敷市で実行されたように、ごみの持ち帰りや分別のポイント、再使用食器の利用などを紹介している。さらには会場設定や要員の配置、交通や騒音対策など周辺への配慮についてもアドバイスしている。「参加者への趣旨説明や次につなぐ検証が大切」という。
活動への参加の輪を広げる工夫も必要となろう。丸亀市内の知的障害者通所施設では、寄贈を受けた再使用可能なうどん鉢をイベント向けに有料で貸し出している。環境対策と就労支援の一挙両得のアイデアだ。
秋は運動会やまつりなどの催しがめじろ押しだ。後始末にも責任を持つ、楽しく気持ちよいイベントの広がりを期待したい。