法律相談窓口の紹介など法的トラブルを抱えた人を支える日本司法支援センター(愛称・法テラス)が、業務開始から一年を迎えた。
法テラスは、総合法律支援法に基づき政府が全額出資した公的な法人で、東京の本部のほか地裁所在地に地方事務所、大都市などに支部・出張所、司法過疎地域などに地域事務所を設けている。
岡山地方事務所が、電話や面談で一年間に受けた相談(情報提供)は八百六十八件で、当初予想した半分程度と伸び悩んだ。人口千人当たり〇・四四件で、全国平均(一・〇三件)を大きく下回った。相談は司法サービス機関や法制度への情報提供が基本のため相談者から不満が出ることもあった。業務内容の周知とPRに努めたい。
実績が上がったのは、法律扶助協会から引き継いだ民事法律扶助の業務だ。経済的に余裕がない人への法律相談援助が千百九十一件、訴訟当事者となった場合に弁護士費用など立て替える訴訟等代理援助は八百四十件で、法律扶助協会が行っていた援助件数に比べ大幅に増えた。
被疑者や被告に国選弁護人を割り当てる業務も行っている。昨年から重大事件については被疑者段階で国選弁護人を付けられるようになった。裁判員制度の始まる二〇〇九年からは、ほぼ全事件が被疑者国選弁護の対象となる。弁護士の安定的な確保がこれからの課題だ。犯罪被害者には刑事手続きや損害回復の方法を説明し問題に詳しい弁護士の紹介などもしている。
司法制度改革が進み法の光が社会の隅々まで照らされるよう、国や自治体、法曹界などが連携して、法テラスの多岐にわたる業務を支援し、需要に応えていきたい。