秋とは名ばかりである。九月の西日本の平均気温は戦後最高を記録し、十月に入っても残暑が続く。マツタケの出荷が大幅に遅れているのもうなずける。
地球温暖化の影響とされ、世界的に危機感は高まっている。二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減が急務だが、経済発展や生活の利便性が優先され削減の兆しすら見えない。
日本世論調査会が先ごろ公表した地球環境に関するアンケート結果では、日本の温室効果ガスの排出量が減らない理由として「家庭でのエネルギーの無駄遣い」が29%に上り、「企業の取り組みが不十分」を2ポイント上回っていた。
企業より家庭での対応の遅れを感じる人が多いのは、生活レベルでの意識改革が進んでいない証しだろう。暮らしの中で、やれることはたくさんある。エアコンの使用を控えたり、車の急発進・急加速をやめるエコドライブなどが挙げられるが、盲点の一つに冷蔵庫がある。
食文化研究家魚柄仁之助さんの著書「冷蔵庫で食品を腐らす日本人」は、核家族化に反比例して冷蔵庫は巨大化し、過剰な買いだめをする家庭が増えたとする。冷凍室は肉や魚がラップごと「永久凍土」と化し、見分けもつかない。こうしたことが電力浪費につながり、温暖化の一因だと指摘している。
思い当たる人が多いのではないか。冷蔵庫の在庫を一掃し、本格的な秋を迎えたい。