秋田県が検討している「子育て新税」導入に対し、県内25市町村のうち約6割の市町村議会が反対する意見書を可決したことが5日、分かった。残りの市町村議会の多くでも、意見書可決に向けた検討が進んでいる。県議会は9月定例会で導入反対の請願を全会一致で採択しており、新税構想への風当たりが一段と強まった。
反対の意見書は、秋田市議会が2月定例会で可決して以降、にかほ市議会や五城目町議会などが6月定例会、大館市議会や仙北市議会などが9月定例会で可決。これまでに16市町村議会に上っている。
にかほ市議会は「多くの県民が導入に反対」と指摘。湯沢市議会は「(県が理由としている)財政難は市町村も同様」と強調した。仙北市議会は「(子育てと教育の充実は)いまの県税収で行ってほしい」と求めた。
子育て新税は、県民税所得割の税率を0.4%引き上げて、年間25億円の財源を確保し、「未来創造メニュー」と題した子育て支援と教育充実の事業を展開する。
メニューには、乳幼児医療費の自己負担分助成事業など、市町村の財政負担を伴う事業の拡充策も含まれる。新税収入が全くないのに、負担だけが発生する市町村の反発は根強い。
県は現在、メニュー内容の見直しを進めており、11月には新税構想の最終案をまとめ、来年2月の条例提案を目指している。
県総務課は「意見書の内容を見ると、子育て支援と教育充実が重要との趣旨は、市町村も理解してくれている。今後も十分な説明を続けていくしかない」と話した。
◎反対意見書を可決した議会
秋田市、大館市、湯沢市、潟上市、北秋田市、にかほ市、仙北市、小坂町、藤里町、八峰町、五城目町、井川町、美郷町、羽後町、上小阿仁村、大潟村
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