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神戸いじめ死事件 送致の少年「仲良かった。冗談のつもりだった」
神戸地検が恐喝未遂の非行事実で送致した少年について、クラスメートは男子生徒と仲が良かったと認識し、少年自身は男子生徒への現金要求を「冗談のつもりだった」と供述している。男子生徒が残した遺書めいたメモに少年の名前がなく、弁護側は少年の非行事実を否定しており、状況は混とんとしている。
「2人はクラスで一番仲が良かった」「少年は男子生徒の良い相談相手だった」−。男子生徒から金品を脅し取ろうとしたとして少年が逮捕された後、クラスメートが書いた作文にはこんな言葉が並んだ。
学校の説明などによると、男子生徒と少年は入学後に知り合い親しくなった。2年の夏には、逮捕された別の少年2人を含む5人でフットサル同好会を結成。秋には一緒にレコード会社のオーディションに出場したり、生徒会選挙に立候補したりしていたという。
少年の逮捕後に学校が行った調査でも、同級生の多くが2人は「親友」だったと回答。「男子生徒が落ち込んでいると、少年が『がんばれよ』とよく励ましていた」「少年は男子生徒の自殺の直前まで相談に乗っていた」という回答もあった。
少年自身も男子生徒の自殺後、作文に〈今は彼を救えなかったことがくやまれてなりません。きっと唯一、私にしか話せないこともたくさんあったでしょう〉と書いた。
関係者によると、少年は、自分が送信したメールが「いじめ」だったという認識や、男子生徒の自殺につながったという認識はなく、男子生徒に対する謝罪の言葉なども口にしていないという。弁護側は、男子生徒が自分から「うそついたら1万円払う」と言い始めたことなどを踏まえ、少年に非行事実はなかったと主張する方針。
これに対し、兵庫県警は、少年は今年春ごろから男子生徒が自殺するまでの間、男子生徒の携帯電話に脅迫メールを繰り返し送信していることから、金品を脅し取る目的があったとみている。