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日通と日本郵政が宅配便事業を統合、株式持ち合いも検討へ

2007年10月05日21時15分

 [東京 5日 ロイター] 宅配便事業の統合で合意したと5日発表した日本通運<9062.T>の川合正矩社長と日本郵政(東京都千代田区)[JP.UL]の西川善文社長は同日、都内で会見し、両社で株式持ち合いを検討していく考えなどを示した。

 両社の株式持ち合いについて、日本郵政の西川社長は、持ち株会社傘下の金融2社と同時期か、その少し後に郵便事業会社の株式公開を考えていると説明し「(株式)公開と並行して株式持ち合いを検討する」と語った。

 両社は、日本郵政の子会社である郵便事業会社の宅配便事業と、日本通運の宅配便事業を統合し、2008年10月1日付で新会社を設立する。

 宅配便事業では郵政より日通のシェアが大きいが、新会社は郵政グループ傘下に入る。日通の川合社長は「品質と(競争力のある)価格が確保できるなら、形にこだわる必要ない」との考えを述べた。ただ、新会社では「拒否権を持とうと思っている。(議決権比率で)3分の1は持つ」と述べた。具体的な出資比率などは、来年4月をめどに別途決定するとしている。

 日本国内の06年度宅配便市場のシェアは、ヤマト運輸が37%、佐川急便が32%、日通が11%、旧日本郵政公社が8%となっており、日通と郵政は、提携を通じて上位を追い上げたい考え。

 郵政の西川社長は、宅配便市場の競争が激化しており、ニーズも多様化していると説明し「単独では、規模の経済性が十分に発揮できない。日通のノウハウと郵政の全国に張り巡らした集配ネットワークが結びつくことで、より良いサービスを提供する」と、ねらいを語った。日通の川合正矩社長は「物量が増えれば増えるほど集配効率・品質が上がる」と述べた。

 川合社長は、パートナーにヤマトや佐川を選ばなかった理由について「(郵政は)集積のメリットがもっとも出せるパートナー」としたほか、ヤマト運輸などと組んだ場合「日通が宅配便事業から撤退することになり、7000人の雇用問題が発生する」などと述べた。

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