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花壇に手作り「トトロの森」 日野

2007年10月05日

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宙を舞うトトロ(右上)。メイやサツキの笑い声が聞こえてきそう=日野市程久保で

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アニメ映画「となりのトトロ」のシーンからとった「トトロの森」の一部分

 傘を手に宙を舞うトトロ、窓から笑顔を見せるメイとサツキの姉妹――。日野市程久保にある知的障害者施設「都七生福祉園」の一画に、アニメ映画「となりのトトロ」の世界が再現されている。ミニチュアの建物や人形は、すべて職員らの手作りだ。(岩城興)

 同園は成人・児童計約300人が暮らす。「トトロの森」は市道沿いの敷地内にあり、外からも自由に見ることができる。広さは幅約10メートル、奥行き約4メートル。元は花壇だった場所に、職員の吉川吉昭さん(48)たちが8年前から少しずつ、手作りの建物や人形を増やしていった。

 ネコバスがやって来るバス停や、傘を上下させて一気に樹木を成長させるトトロたちの姿など、題材はいずれも映画からとっている。数十センチから1メートル四方を超えるものまで、30近い場面がある。

 人形はほとんど吉川さんの作。休日に自宅で作った。床に敷く緩衝マットをキャラクターの形に切り、フェルト布をはり付けた。宙を舞うトトロは他の職員の手作り。大きさが1メートル余りあり、存在感はバツグンだ。

 当初、材料費はポケットマネーだったが、フリーマーケットに出店して工面するようになった。植えた樹木や草が伸びるにつれ、名実ともに「森」に育った。入所者のほか近所の人たちが訪れては、しばらく世界に浸る。

 「喜びの歓声が上がると、『また新しいモノを作ろう』と気合が入る」と吉川さん。「まさにライフワークです。異動しても、ずっとかかわっていきたい」と話している。

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