北九州市が初めて策定する「市経営方針」の素案概要が5日、明らかになった。素案は、三位一体改革による地方交付税の大幅削減や市債残高の増加で、2010年度に400億円程度の収入不足が発生し「何も対策を講じなければ財政破たんに陥る」と明記。公共投資の「選択と集中」や「行財政改革の断行」など4項目の「経営戦略」をまとめている。
市の06年度決算は、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税の交付額が前年度に比べて約142億円減少。逆に市債残高は約287億円増え、約9113億円に膨れた。実質収支は約11億円の黒字だったものの、収入が減り借金が増える傾向は、今後さらに進む見通しだ。
経営方針は、10年度の収入不足を400億円程度と予測。前市長時代に策定された「経営基本計画」による職員削減や公共投資の7%削減を実行しても、なお180億円足りず、企業倒産に当たる財政再建団体に転落する可能性を指摘した。
一方で、北橋健治市長が2月の市長選時に掲げたローカルマニフェスト(政策目標を具体的に示した公約)の完全実施に向けて、10年度に40億円が新たに必要になるとの見解も提示。このため、マニフェストに掲げた子育てや福祉、教育の充実を重点分野に指定した上で(1)市債残高が膨らむ要因になった大型公共事業は採算性を慎重に見極める(2)特定非営利活動法人(NPO法人)や企業との協働‐などを推進し、歳出抑制を図るとしている。
経営方針は、北橋市長が財政立て直しに取り組む一環で策定を指示し、7月に設置された学識者らでつくる「都市経営戦略会議」が内容を検討していた。今後、素案に対する市民の意見を聞く「パブリックコメント」を実施したうえで最終案をまとめる。
=2007/10/05付 西日本新聞夕刊=
市の06年度決算は、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税の交付額が前年度に比べて約142億円減少。逆に市債残高は約287億円増え、約9113億円に膨れた。実質収支は約11億円の黒字だったものの、収入が減り借金が増える傾向は、今後さらに進む見通しだ。
経営方針は、10年度の収入不足を400億円程度と予測。前市長時代に策定された「経営基本計画」による職員削減や公共投資の7%削減を実行しても、なお180億円足りず、企業倒産に当たる財政再建団体に転落する可能性を指摘した。
一方で、北橋健治市長が2月の市長選時に掲げたローカルマニフェスト(政策目標を具体的に示した公約)の完全実施に向けて、10年度に40億円が新たに必要になるとの見解も提示。このため、マニフェストに掲げた子育てや福祉、教育の充実を重点分野に指定した上で(1)市債残高が膨らむ要因になった大型公共事業は採算性を慎重に見極める(2)特定非営利活動法人(NPO法人)や企業との協働‐などを推進し、歳出抑制を図るとしている。
経営方針は、北橋市長が財政立て直しに取り組む一環で策定を指示し、7月に設置された学識者らでつくる「都市経営戦略会議」が内容を検討していた。今後、素案に対する市民の意見を聞く「パブリックコメント」を実施したうえで最終案をまとめる。
=2007/10/05付 西日本新聞夕刊=