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南北首脳会談:金総書記の歩き方に変化、糖尿病のせい?

 2000年の南北首脳会談以降、初めて韓国のテレビカメラの前に長時間姿を現した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は7年前と比べ老け込み、ほおがこけた印象だった。だが、深刻な健康問題を抱えているという説に反し、「金総書記の健康状態は、日常生活には問題なさそうだ」と専門医たちはみている。金総書記の様子で最も目に付いたのは歩き方の変化と腹部肥満だ。

 金総書記は歩くとき、右ひざを左ひざより高く上げながら歩いていた。この歩き方は、右足首に力がなく足が地面から離れるため、これを補おうとしているものとみられている。こうした症状は糖尿病の合併症のためと推定される。金総書記は以前から糖尿病を患っているといわれるが、糖尿病の場合、合併症により足に末梢(まっしょう)神経炎が生じやすい。このため歩くとき足首が上がらず、足を引きずりがちになり、ひざを無意識に高く上げるようになる。

 金総書記が歩くとき、肩の動きは固定され、腕も力なく見える。こうした動きも糖尿病のためと分析される。糖尿病の合併症で肩の筋肉や靱帯(じんたい)が硬直する「凍結肩」(癒着性肩関節炎)が生じれば肩の動きが悪くなる。

 腹部肥満は7年前に比べ進んでいる。腹部肥満がひどくなれば体の重心が前に傾く。それでバランスを取るため歩くときは無意識に腰を後ろに下げ歩く。金総書記の歩き方はこの状態だった。

 こうした状態が長期化すれば、腰の筋肉に負担がかかり、腰痛を招く。金総書記は立っているとき、体重を右左に交互にかける動作を繰り返した。腰痛のある人が立っているときに腰の負担を減らそうとする特徴的な動作だ。

 腹部は以前より膨らんだが、腕や肩の周辺は細くなった。食事のカロリー調節がうまくできていない状態で、運動不足の人がなりやすい体型だ。

 髪は細くなり、縮れている。額や頭頂部の脱毛もさらに進んだ。慢性疾患により体中のタンパク質が不足すると、こうした現象が早く進行することもある。

 皮膚の老化も著しい様子だ。高齢者は口角からアゴにかけてのしわが深くなるが、金総書記もそうしたしわが見られる。首のたるみも増え、肌が薄く見えるのも老化現象の一つだ。顔の左右には老人斑やシミが増え、目の下のたるみも増えた。下まぶたもたるんでいる。今回、金総書記は以前とは違い透明な眼鏡をかけていた。年を取り視力が落ちると、サングラスはもどかしくて使えない。

 A大学病院の高齢者医学専門医は「金総書記は長年心臓病・糖尿病・腎臓病などを患ってきたため、老化現象が普通の人より早く表れることも考えられる。実際の年齢より5‐10歳は老けているように見える」と語った。

キム・チョルジュン医学専門記者・医師

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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