何度か取材でお世話になった出産ジャーナリスト、河合蘭さんの新著「助産師と産む」(岩波ブックレット)を読んだ。赤ちゃんを取り上げるだけでなく、妊婦の相談に乗ったり、陣痛ケア、母乳育児の指導にもあたる助産師の働きが紹介され、役割の大きさに気づかされた。
一方で、医療関係者の間でも役割への理解は深いと言えず、産科以外に配属され、看護師と同じ仕事しかできずに悩む助産師がいるとの指摘もあった。
河合さんは医師不足を助けるためにも、助産師活用を提言する。高崎実香さんが死亡した問題や妊婦死産問題の背景にあるのも深刻な医師不足。対策の大切な視点を教わった気がした。(中村)
毎日新聞 2007年10月5日