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2007年10月5日

 親方を傷害容疑で書類送検、というニュースがきのう飛び込んできた。渦中の大相撲時津風部屋の事件かと思ったら、別の部屋で起きた制裁だった

「かわいがり」という名の悪弊は、どこまで広がっているのだろう。「無理へんに、げんこつ」と書いて「兄弟子」と呼ばせる世界が、いつまでも通用するものでもあるまい。泥にまみれた国技である

相撲好きの外国人に、「あれはおかしい」と言われたことがある。化粧まわしをつけた土俵入りである。豪華な布地に色鮮やかな刺しゅうが施されたまわしは、鍛えられた力士の肌を引き立てて美しい。が、くるりと体を回すと、お尻丸出しの姿に一変する。珍妙、と言われても返す言葉はない

相撲の盛んな当地でも、「相撲パンツ」姿の豆力士が目立つという。いまの少年たちの健全な感性だろう。色気づいたな、とからかうのは、それこそ「無理へんに、げんこつ」の時代遅れである

化粧まわしの裏の醜いお尻を、イヤと言うほど鼻先に突きつけられたような今回の事件である。きょう相撲協会は緊急理事会を開く。世間に顔向けできる「相撲パンツ」を用意できるのだろうか。


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