PRIDE年間スケジュールへ
PRIDE 武士道 -其の伍-
2004.10.14
大阪城ホール
PRIDE.34
PRIDE.33 ”THE SECOND COMING”
PRIDE 男祭り 2006 -FUMETSU-
PRIDE 武士道 -其の十三-
PRIDE.32 ”THE REAL DEAL”
PRIDE無差別級グランプリ2006 決勝戦
PRIDE 武士道 -其の十二-
PRIDE無差別級グランプリ2006 2ndROUND
PRIDE 武士道 -其の十一-
PRIDE無差別級グランプリ2006 開幕戦
PRIDE 武士道 -其の拾-
PRIDE.31
PRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI-
PRIDE.30
PRIDE 武士道 -其の九-
PRIDE GRANDPRIX 2005 決勝戦
PRIDE 武士道 -其の八-
PRIDE GRANDPRIX 2005 2ndROUND
PRIDE 武士道 -其の七-
PRIDE GRANDPRIX 2005 開幕戦
PRIDE 武士道 -其の六-
PRIDE.29
PRIDE 男祭り 2004 -SADAME-
PRIDE.28
PRIDE 武士道 -其の伍-
PRIDE GRANDPRIX 2004 決勝戦
PRIDE 武士道 -其の四-
PRIDE GRANDPRIX 2004 2ndROUND
PRIDE 武士道 -其の参-
PRIDE GRANDPRIX 2004 開幕戦
PRIDE 武士道 -其の弐-
PRIDE.27
男祭り2003
PRIDE GRANDPRIX 2003 決勝戦
PRIDE 武士道
PRIDE GRANDPRIX 2003 開幕戦
PRIDE.26
PRIDE.25
PRIDE.24
PRIDE.23
PRIDE.22
PRIDE.21
PRIDE.20
PRIDE.19
PRIDE.18
PRIDE.17
PRIDE.16
PRIDE.15
PRIDE.14
PRIDE.13
PRIDE.12
PRIDE.11
PRIDE.10
PRIDE.9
PRIDE GRANDPRIX 2000 決勝戦
PRIDE GRANDPRIX 2000 開幕戦
PRIDE.8
PRIDE.7
PRIDE.6
PRIDE.5
PRIDE.4
PRIDE.3
PRIDE.2
PRIDE.1
第8試合
1R10分、2R5分
1R 5分52秒 TKO(チキンウィングアームロック)
GOMI TAKANORI
五味 隆典
CHARLES KRAZY HORSE BENNETT
チャ−ルズ・“クレイジー・ホース”・ベネット
PRIDE史上初のライト級メインイベンターとなった五味。この歴史的な一日を前に、五味はまだ設営中の会場を一回りした。「あの会場を見たら、いろんな行事の疲れも吹っ飛んだ。今までで一番凄い。綺麗だし、客席が両側に回っていて…あそこで試合をするのが凄く楽しみです」と言う五味。場は人を変えるというが、今の五味には間違いなくメインイベンターとしての風格が漂っている。「相手のレベルなんか関係ない。これは自分自身がメインで通用する人間かを試すための勝負。最後の試合で気持ちよくなって、お客さんを帰すことが出来るかです」とプロ意識も高い。
その五味が、表情を変えたのはファンクラブへのプレゼントとする全選手のサインが入ったポスターを見た時だ。五味の写真の上に、“KRAZY HORSE”のサインが踊っていたのである。マジックインキ(太字)がベッタリと覆った自分の写真を見て、五味の怒りに火がついた。「こういう事をするやつは許せない。救急車を用意したほうがいいかもよ」。
そんな事を知らないベネットは、金歯を見せながら、陽気に振舞っていた。「PRIDEには前から参戦したかったんだ。何しろ世界で最も有名な大会だし、ビッグマネーは手に入るし、美しい女性と出会えるチャンスはあるし、俺に必要なものが全て手に入るからな!」と豪語する。さらには五味を“ゴミ”扱いし、「PRIDEのリング上にはゴミがいっぱい落ちてるから、それをさっさと片付けてホテルへ帰って寝るさ」と五味を挑発。「エキサイティングで、クレイジーな、ファンを喜ばせる試合をするよ。俺のクレイジーはちょっと違うぜ。CRAZYじゃなくKRAZYなんだ!だって、こっちのほうがキュートだろ!」と最後までハイテンションだった。
だが、彼はもう一つ知らない事があった。それは、元々、五味も“狂犬”と呼ばれる危険なファイターである事をだ…。
入場式、前日の元気はどこへやらベネットはちょっとおどおどとしながらの登場。初の大会場での試合に気圧されているのだろうか。五味もまた、気合いの入った表情だが、フーッと大きく息を吐く。まるで落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせているようだった。
第7試合
1R10分、2R5分
2R 2分09秒 アームバー
SAKURAI MACH HAYATO
桜井“マッハ”速人
CROSLEY GRACIE
クラウスレイ・グレイシー
「ノーガード戦法で一発づつ殴り合いましょうって言いたい。勝ち負けじゃないんですよ。倒すか?倒されるか?」マッハはここ数試合とは明らかに変わっていた。武士道のエースとされながらも本来の力を発揮できなかったマッハ。76kg以下級から階級を一つ上げたことがその原因だと言う声が挙がる中、マッハは違った。「いつの間にか守りに入っていた」と精神的な部分が影響していたと振り返る。冒頭のコメントは心境の変化から来たものなのだろう。この試合に向けて右腕を手術し、インナーマッスルを大きくするトレーニングを行い80kg以下級でも戦える体を作ってきた。ギラギラしていたあの頃を取り戻しつつあるマッハ。”不死身のエレキマン”が大阪の地で復活の狼煙を上げる。
スタンドのパンチが上手くレスリングも強い新世代グレイシーはファイトスタイルだけではなく、試合に対する姿勢そのものも今までのグレイシーとは180度異なる。キックボクサーを妻に持ちハウフ・グレイシーの元で柔術を学んだクラウスレイは「お客さんを楽しませることが大事なんだ。僕にどんなファイトを期待しているのか教えて欲しいね」とプロとしての戦うことにこだわりを持っている。殴り合いは望むどころか。
白い柔道着を脱いだクラウスレイは手足の長いいわゆるブラジル人体型。セコンドには妻の姿も見える。そのクラウスレイを睨みつけながらマッハは静かにリングに上がった。
第6試合
1R10分、2R5分
2R終了 判定3-0
CHONAN RYO
長南 亮
CARLOS NEWTON
カーロス・ニュートン
「日本にまた来れて嬉しい。特に大阪に来れた事がね。これから大阪城を見に行くので楽しみだよ。ホテルにも温泉があって、凄く快適」と、まるで翌日に試合を控えた選手とは思えないほど、リラックスしていたニュートン。長年にわたって世界トップクラスで活躍してきた、ベテランならではの余裕か。ニュートンは長南を「若いエネルギーに溢れた選手」と評した。実はニュートンと長南は同じ年である。しかし、キャリアや世界での地位は比べ物にならない。「確かに僕もいつの間にか挑戦される立場になった。でも、若いのに経験がある、というのが僕のアドバンテージなんだ」とニュートンは笑った。「彼は危険な攻撃を持っている。特に蹴りがね。しかし、寝技は僕を脅かすほどではないよ」というのがニュートンの見方。
しかし、彼は長南がこの試合に賭けている決意までは知らなかっただろう。「ニュートンはビッグネームだし、世界的な評価も高い。立場では自分よりも上にいる選手。ありがたいマッチメイクですね。世界に名を轟かせるチャンスだし、自分が国内どまりなのか、それとも世界と勝負できる器なのかレベルが分かる」と長南。さらに、「二連敗したらもう武士道に出る資格はない。何より、そんな自分が許せない。これは自分自身の査定マッチです」と言い切った。そこまでの決意を背負っているからこそ、「いつも以上に気合いが入っている。ぶっ殺してやろうと思っている」という言葉が自然に出る。「絶対に勝つ。寝技は考えていない、全局面打撃で勝負。いい試合をやろうとも思わない。倒して、勝つ。それだけです」。試合前日、心地よい緊張感を漂わせながら、長南は席を立った。モヒカンにした髪はオレンジ色。「テーマは炎。バックドラフトのように、爆発する炎です」。
リングに登場すると、大きなサークルを描いてリングを一周する長南。対角線にいるニュートンを真っ直ぐに睨みつける。ニュートンもまた、前日の笑顔とは180度違う、鋭い目つきで睨み返す。リング上で激しく火花を散らし、ゴングが鳴った!
第5試合
1R10分、2R5分
1R 4分02秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
FUJII SYAMOJI
藤井 軍鶏侍
IGOR VOVCHANCHYN
イゴール・ボブチャンチン
小川直也と行動を共にするようになってから約2年、藤井は思い悩んでいた。”小川さんの付き人の藤井”という周りの評価についてである。しかし久しぶりの総合格闘技の試合となった前回の武士道挑戦試合で藤井は「自分にはまだこの世界で遣り残したものがある」と気付いた。そして「一人のプロレスラー、一人の格闘家として藤井軍鶏侍の名前を知らしめる」ためにある決断をする。それが今日のボブチャンチン戦である。
かつては世界最強とまで謳われた北の最終兵器ボブチャンチン。藤井がオファーを受けたとき、小川は乗り気ではなかったという。しかし藤井は小川の制止を振り切ってこの試合を受けた。「僕は軽い気持ちでやるわけじゃない。今回はあえて小川さんなしで戦います」藤井の決意は固い。セコンドに小川の姿はないものの「ハッスル」スパッツを身に着けて藤井はリングに上がった。
対するボブチャンチンは98kgとかなり体を絞り込み頬もこけている。かつてヘビー級で戦っていたとは思えないほどグッドシェイプな体つきをしている。
第4試合
1R10分、2R5分
2R終了 判定2-1
MINOWA IKUHISA
美濃輪 育久
UEYAMA RYUKI
上山 龍紀
「これはUWFスタイルとリアル・プロレスの闘いだ」自らを格闘家ではなく、“リアル・プロレスラー”と名乗る美濃輪は、上山戦をそう定義した。「僕と彼はプロレスに対する考え方が似てると思う。けど、スタイルが違う。あらゆる格闘技の中で、リアル・プロレスが最強ですから、絶対にUWFスタイルを倒さなければいけない」と決意している。そして、「彼は心が強い選手。格闘技に必要な要素の中で、精神力がずば抜けている。だから、心を折って勝つ」と宣言した。
「その言葉、そっくりそのままお返しします」と言うのは上山だ。「美濃輪選手は心身共に強い最高の相手。完全決着を狙う。全試合の中で一番、判定に行きやすい試合だと思われているけど、キッチリと一本で勝つ。どっちの心が折れるかの勝負です」。上山はこの2年間、拳や膝などあらゆる箇所の怪我に悩まされ続けてきた。普通なら欠場するほどの怪我でも、無理を押して出場し続けてきたため、さらに負傷を悪化するという悪循環にはまってきた。しかし今回は、「2年ぶりに満足のいく練習が出来た」と言う。「DEEPのベルトを取ったり、ブラジリアン・トップチームから一本を奪った時以来の、しっかりとした練習が出来ました。久しぶりのピークです。この時期に美濃輪選手と試合が出来て良かった」と笑顔を見せた。
格闘技の試合でありながら、共にバックボーンにはお互いが信じるプロレスを背負う。まさにイデオロギー対決。また、美濃輪には愛弟子・上山を撃破し、田村潔司との再戦をアピールするという重要な目的も持っているのだ。今回の武士道唯一の日本人対決に注視が集まる。
上山はDEEPミドル級王座のベルトを、肩から提げて登場。いつものショートタイツではなく、ボクシング・トランクスを履いている。セコンドには美濃輪のターゲット・田村も姿を現す。美濃輪はなぜか、せり台を後ろ向きになって現れ、入場テーマに合わせて振り向き、観客を煽るように激しく拳を振る。今日は花道を走らずに、いっちゃった目で真っ直ぐ前を見つめながらリングへ歩を進めた。美濃輪の登場に、大阪城ホールが沸き返る! まさに美濃輪ワールドの現出だ!
第3試合
1R10分、2R5分
2R終了 判定3-0
IMANARI MASAKAZU
今成 正和
LUIS BUSCAPE
ルイス・ブスカペ
”足関十段”遂にPRIDEに参戦!キングダムという日の当たらない場所から『ZST』『DEEP』に参戦し、一気にその強さを格闘技界に知らしめた今成。ことグラップリング技術に関しては国内トップクラスの呼び声も高い。タッグパートナーでもある矢野卓見も「十段の実力は世界に通用する」と評している。自ら相手の足元に滑り込んだり、相手のミドルキックをそのまま取って極めたりとファイトスタイルはトリッキーそのものだ。プロとして”魅せる”ことが出来る男だ。また足関節ばかりにスポットが当たりがちだが、柔術でも茶帯を巻く実力者。しかもマルコス・バルボーザの元に武者修行し、周りのブラジル人を極めまくって茶帯を認定されたという。ブラジル中量級トップレベルのブスカペを相手にその実力を発揮することが出来るのか?
リング上で対峙した両者は額がつかんばかりに顔を近づけて視線を外さない。ゴング前から臨戦態勢といった様子だ。これまでの試合ではどこか修行僧のような表情を見えることが多かった今成がここまで気合が入っているのは珍しい。
第2試合
1R10分、2R5分
1R 0分21秒 KO(スタンドでのパンチ)
SENTORYU
戦闘竜
MAL THE TWIN TIGER
マル・ザ・ツイン・タイガー
屈辱の一本負けから半年…戦闘竜がPRIDEマットに帰ってきた。大相撲からブランク無しで格闘技に転向した初のケースとして、鳴り物入りでPRIDE参戦を果たしたが、4分46秒でタップするほろ苦いデビュー戦。戦闘竜はその後、トレーニング方法を変えて10sの減量に成功、寝技の必要性を感じて柔術の道場にも通い出し、今日の第2戦を迎える。「とにかく勝ちたい。今回は相撲の技を出して勝つ。得意の張り手でKOしたい。相撲が強い事を自分が証明する」と“張り手KO”を予告。
一方のマルは、『武士道 其の弐』でエメリヤーエンコ・アレキサンダーと対戦したマットの双子の兄。オーストラリアの総合格闘技大会『スパルタン』のスター的存在で、仕事はディスコのバウンサー(用心棒)である。弟の対戦相手も大きかったが、戦闘竜とマルは身長は同じでも40s近い体重差がある。しかし、「大きい相手と闘うのは慣れている。今までに140sの相手と試合をした経験もあるんだ。戦闘竜は僕のスピードについてこれないさ」と自信満々。さらには、「戦闘竜は太っている。つまり、調整が出来てないって事さ」とズバリ言い切った。
大相撲の竜か、ニュージーランドの虎か!? 竜虎対決いよいよゴング!
前回の弟の試合同様、二人全く同じコスチュームで同時に入場。しかし、前回のようなじゃんけんで順番を決めようというような楽しいパフォーマンスはない。マルは笑顔を見せることなく、リング上に厳しい表情で立つ。戦闘竜は新しく作ったという“チーム・ファイティグ・ドラゴン”のTシャツ、フードを目深に被っての登場。四股を踏み、ゆっくりと花道を歩んで来た。格闘人生の仕切りなおし、戦闘竜がリングイン! ゴングが鳴ると、立会いのポーズを見せて、コーナーから飛び出す!
第1試合
1R10分、2R5分
1R 6分02秒 TKO(サッカーボールキック)
NAMEKAWA YASUHITO
滑川 康仁
MAURICIO SHOGUN
マウリシオ・ショーグン
「死闘をするという気持ちは変わりませんよ」試合直前のインタビューで滑川はそう語った。殴り合いを心情にこれまで激しいファイトを繰り広げてきた滑川にとってショーグンはそのファイトスタイルを体現する格好の相手である。同門のヴァンダレイ・シウバと同じく、日本人選手を相手に無敗を誇っているショーグン。今月末にタイトルマッチを控えているシウバと共に「いつも以上にハードだった」トレーニングを積んできた。前回のヴァラビーチェス戦では「PRIDEのリングでRINGSの強さを証明する」と宣言し、RINGSファンのハートをガッチリと掴んだ滑川だが、ショーグンは過去最強の相手と言っても過言ではない。
荒々しいファイトスタイルとは違い物静かなテーマで入場するショーグン。白いコスチュームに身を包み静かに闘志を燃やす。対する滑川は真っ赤なTシャツ姿で眉間にしわを寄せリングを睨みつけながら花道を歩く。現代に蘇った侍の果し合いが今始まる。
大会名称
PRIDE 武士道 -其の伍-
開催日
2004年10月14日
会 場
大阪城ホール