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「らき☆すた」ファン、神社に続々

2007年09月03日

 埼玉県鷲宮町の由緒ある鷲宮神社に、アニメファンが続々と訪れている。熱烈なファンが多いアニメ「らき☆すた」で、主人公の一人の自宅が同神社をモデルにしている、とアニメ雑誌などで紹介されたのがきっかけだ。参拝者に混じる若者たちの姿に違和感はあるものの、マナーは上々とのことで、神社は季節はずれの活況を呈している。

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家内安全、合格祈願の絵馬の中に、アニメのイラスト入りの絵馬が混じる=埼玉県鷲宮町の鷲宮神社で

 8月末の昼下がりの鷲宮神社。絵馬が掲げられている一角では、「家内安全」や「志望校合格」とともに、「らき☆すた」のキャラクターのイラストが訪れる人の目を引いていた。

 同町の20代女性2人組はイラストを見て「やだ、キモイ(気持ち悪い)」と言い放ち、違和感をぬぐえない様子だった。一方、アニメファンとみられる人も約2時間で10人程度訪れた。

 「らき☆すた」公式ホームページなどによると、同作品は、おたくな女の子のボケと、それに突っ込む女の子が主役の女子高生たちの日常を「ゆるゆる」に面白おかしく描いている。主な題材は「それよくあるよね」と受け流せるような軽い話題だ。

 都内から2時間以上かけて来たという学生(20)は、「当たり前の日々を過ごすキャラクターが身近で、すごく共感が持てる」と熱く語る。主人公たちが通う高校のモデルとして紹介された春日部共栄高などをめぐった後、「主人公の自宅」に行き着き、感慨深げに境内を歩いていた。

 神社が発行するリーフレットによると、同神社は「関東最古の神社」と言われる。国の重要無形民俗文化財の神楽が奉納されることで知られ、年始には参拝客が10万人前後を数える。1万坪の境内は、木立に囲まれ、森厳な雰囲気だ。

 神社に若者たちが目立ち始めたのは、今年5月ごろ。7月発行のアニメ雑誌で、作品のモデルとなった場所一覧が掲載され、さらに参拝する人が増えたという。

 神社の男性神職(50)によると、アニメファンとみられる人たちは早朝や深夜にも、鳥居付近などで記念撮影をしている。「みんなおとなしく参拝しています。マナー違反やトラブルはほとんどありません」という。

 愛媛県から来たという学生は、「アニメがなければ、こんな神社があるのも知らなかった。神社自体の歴史も面白い」と楽しんでいた。

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 「らき☆すた」 埼玉県出身の漫画家、美水(よしみず)かがみさんが04年、ゲーム誌に連載を始めた4コマ漫画が原作。今春からテレビアニメになり、テレビ埼玉などで深夜に放映中。主題歌「もってけ!セーラーふく」もCD売り上げ10万超のヒット作。主要登場人物の女の子たちの個性あふれるキャラクター描写に定評があり、それぞれのキャラに熱烈なファンがいる。

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