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看護師の制服に「ジャージー」採用へ 大阪市立の4病院

2007年10月04日

 大阪市立の4病院で白衣の看護師が姿を消すことになりそうだ。来年4月から3年程度をかけ、伸縮性のあるジャージー状の素材を使った白いシャツと紺色のパンタロンに段階的に切り替えていく。高齢者や要介護の患者が増える中、動きやすい制服が求められているためで、全国的にも「白衣の天使」は少なくなる傾向にあるという。

写真大阪市立の病院の新しい制服の見本(左)と従来のワンピース型白衣

 約1200人の看護師がいる市立の4病院では、小児病棟など一部を除き、白い布地のワンピース型やキュロットなど数種類の中から好きなデザインを選ぶ仕組みだ。しかし、患者を持ち上げるなど力仕事も多い看護師にとって、平織りの布地でつくられた白衣は動きにくいうえに、下着が透けてしまうといった不満の声が現場から上がっていた。

 市立総合医療センターによると、約3年前から各病院の管理職や看護職で検討会をつくり、他の病院の例を参考にデザインを考案。新しい制服には院内感染対策のために、汚れにくく制菌作用のある繊維を使用するという。同様の制服は京都大学や山口大学の医学部付属病院でもすでに採用されている。

 ただ、白衣がなくなることには異論もあるようだ。市立病院のある看護師(28)は「白衣は医療専門職の誇りの象徴であり、ジャージーでは勤労意欲が下がる。紺だと汚れに気づかず、衛生上も問題がある」。

 広島市で50年以上、白衣を販売してきた会社によると「最近は介護施設を併設する病院が増え、動きやすいジャージー状の制服が好まれる傾向にある。色も患者に優しい印象を与えるピンクやブルーが人気がある」という。

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