三日午前二時五十分ごろ、三木市本町二の倉庫から出火、木造平屋建て約四十二平方メートルを全焼し、中にしまっていた地元新町地区の祭りの屋台(高さ四メートル、全長八・七メートル)と装飾品が焼けた。火は一時間十分後に消えた。
同地区は市中心部にあり、六、七の両日、地元「大宮八幡宮」の秋祭りで、この屋台を巡行する予定だった。大宮八幡宮の秋祭りは宵宮に六台、本宮に八台の屋台が集まる市内最大規模の祭りで、屋台を担いで同神社境内の八十段余りの石段を駆け上がることで知られる。当日を楽しみにしていた地元の人たちは、火事を遠巻きにしてぼうぜんとしていた。
三木署などの調べでは、この倉庫では、二日午後九時すぎまで地区の住民ら約十人が集まり、祭りに備えて屋台の太鼓をたたく練習をしていた。倉庫や周辺に火の気はないという。
屋台は、一九六一年に中古で購入。本年度、千数百万円を掛けて屋台を飾る「水引幕(みずひきまく)」「高欄掛(こうらんがけ)」を新調したばかりだった。屋台の総額は不明だが、一般的に七千万-八千万円はするという。
電話で火事を知らされ、現場に駆け付けたという新町地区の山本邦雄区長(65)は「着いたときには倉庫の天井から炎が出ていた。びっくりしている。祭りが迫っており、三日午前中に会議を開いて対応を決めたい」と話していた。
現場は三木市役所に近い住宅街の一角。