ドクターヘリ 八戸配備困難/県が認識(2007/10/04)
 ドクターヘリ配備について話し合う青森県救急・災害対策協議会(会長・浅利靖弘前大医学部教授)の第二回会合が三日、青森市内で開かれた。県側は、県立中央病院が地理や医師数で適するとの認識を示した上で、早ければ来年度後半にも運用開始する考えを初めて表明。委員の過半数は県病配備を支持し、事実上方向が固まった。誘致を争っていた八戸市立市民病院への配備は極めて困難となった。
 
 県は十一月末にも開かれる医療審議会の部会で配備先を明記した具体案を提示する。
 会合には自治体病院や消防、県医師会の委員十一人が出席。県は青森、八戸、弘前の三市にドクターヘリを配備した場合の人口カバー率(五十キロ圏内)で青森市が約68%、八戸市が約37%となると説明。両病院を比較した医師数でも県病が上回るとした。
 また基本方針として「ドクターヘリは県のために運用する。非常の際は出動も有り得るが前提は青森県」と強調。岩手県北もカバーできるとする八戸市のアピールは受け入れられなかった。
 一方で、誘致を目指す八戸市民病院と県病がそれぞれ受け入れ態勢を発表。市民病院は施設整備や、消防、自衛隊など関係機関との協議が進んでいる点など導入への取り組みを紹介。「今すぐにでも対応可能」とアピールした。対して県病は脳卒中や循環器医療、救命救急センターの充実を進めていると説明した。
 委員からは「県全体を考えると中央にある青森が納得を得やすい」と県の方針への賛成意見が多かったものの、「八戸は先行して取り組んでおり実績がある。恒久的ではなく暫定的に置くことを考えては」と八戸市を評価する声も上がった。
 このほか、地理的条件で有利とする県のデータに関し、「(医療的な)数値に基づき結論を出すべきだ」と、判断基準としては不十分とする意見もあった。
 両病院を推す声は平行線をたどり、会合は予定を一時間半超え、三時間半に及んだ。最後は、県が「あくまで最終判断は県だ」として議論の収拾を図り、会合は終了。事実上、県の判断に委ねられる形となった。

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