超人気「キッザニア」、チケットのネット転売横行2007年04月19日 昨秋のオープン以来、人気が続く子どものための職業体験型テーマパーク「キッザニア東京」(東京・豊洲)の入場券がネットオークションで高騰している。ネットを舞台にしたチケットの転売は、愛知万博でも問題となった。ダフ屋行為にはならないのか。
キッザニアはメキシコで開発された屋内施設で、同国以外では日本が初登場だ。企業がスポンサーとなって約70種の職場を提供し、パイロット、アナウンサー、消防士などの仕事を子どもたちが本物さながらに体験できる。 入場は1日2部制の完全入れ替え制。予約券はキッザニアとJTBなどの窓口かインターネット上で購入できるが、土日の予約は8月末まで埋まる人気ぶりだ。 「5月6日(日) 大人2 子供2 開始価格2万円」 インターネットのオークションサイト上には、予約券がずらりと並ぶ。定価は大人2000円、4〜15歳の子どもが3000円(土日祝日)。土日は、初めから定価以上の金額で出品されているものもあり、3倍近い値がつくケースもある。 予約する際には、代表者の名前を登録する仕組みになっている。運営会社のキッズシティージャパンが調べたところ、同じ名前で別々の日付の入場券を購入し、来場者が毎回異なるケースもあった。もともとオークションを使って高値で転売するのが目的だったとみられる。 同社は「不当に価格がつり上がるのはお客様の迷惑になる」として、ホームページ上で「営利目的での入場予約及び入場券購入は、法令に抵触し、罰せられる場合がありますので固くお断りいたします」と警告。さらに、転売行為やオークションサイトへの掲載を禁止行為としている。 入場の際にも、入場料決済に使ったクレジットカードの提出を求めたり、本人確認をしたりして、転売されたチケットの利用を防ごうとしている。しかし、出品者側が落札者に保険証のコピーなどを送ったり、他人への譲渡が営利目的かどうかの見極めが難しかったりして、苦慮しているという。事情があって行けなくなった人のために、6月1日以降の入場日の一般予約からは、新たに日付の変更を1回限り可能にし、営利目的の転売者と区別できるようにする対策も始めた。 東京都の迷惑防止条例は、転売目的で駅や公園、チケット売り場など「公共の場所」での売買をダフ屋行為として禁じている。ところが、現状では、インターネットは「公共の場所」にあたらないと解釈されているという。警視庁は「ネットで購入してネットで転売された場合、手も足も出ない」と嘆く。 05年の愛知万博では、人気施設「サツキとメイの家」の入館予約券をめぐり、本来無料の予約券をネットオークションで転売することがダフ屋行為にあたるか問題となったが、摘発は見送られた。過去の検挙例も、ネットでチケットを転売していた場合、そのチケットを転売目的でコンビニなどで購入した時点までさかのぼり、立件するにとどまっている。 ただ、各都道府県が「ネット上も公共の場所とする」と条例を改正しても、取り締まれるとは限らない。ネット上のダフ屋行為の場合、売買がどこで成立したのか、どこの条例を適用するのか、特定しにくいからだ。同庁幹部は「新しく法律をつくる必要がある」と強調する。 ゴールデンウイークを控え、入場券の需要が高まることから、同社では転売が増えると予想。「営利目的の転売は一切できないので、了承の上、予約してほしい」と呼びかけている。 ◇ 子どもの職業や社会への関心を育てる体験型テーマパーク「キッザニア東京」が06年10月、東京都江東区の商業施設「アーバンドック ららぽーと豊洲」内にオープンした。施設内には子供用に3分の2サイズに造られた建物が並び、パイロットや消防士、新聞記者など約70種の仕事を体験できる。仕事体験すると、給料として施設内だけで使える通貨「キッゾ」が支払われる。 PR情報コミミ口コミ
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
朝日新聞社から |