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ADHD治療薬、初の承認へ リタリンと同成分

2007年10月04日07時04分

 小児の発達障害である注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬としては国内で初めて「コンサータ」が承認される見通しになった。3日開いた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で薬効や安全性が確認された。ただ、薬物依存が問題になっている向精神薬「リタリン」と同成分のため、厚労省は製薬会社に対し、処方できる医師を限定するなど厳しい流通管理を求める方針だ。

 今月中に同審議会の部会を開き、製造販売元のヤンセンファーマ社(東京都千代田区)に求める具体的な条件を定め、正式に承認を決める。

 原案では、処方できる医師を「ADHDを正確に診断できる専門医」に限定するため、関連学会に所属▽診断講習を受けた――などの基準でリストをつくる。調剤薬局にも処方した医師や医療機関が登録されているか確認を求める。

 同薬は、リタリンと同じ塩酸メチルフェニデートが薬効成分。世界で広くADHD治療薬として使用される。国内では従前、同成分のリタリンが未承認のままADHD治療に使われてきた。だが乱用問題を受け、リタリンを処方できる医師は睡眠障害「ナルコレプシー」の専門医らに限られる方針となっている。

 依存症を懸念する声もあるが、同社によると即効性のあるリタリンに比べ、急に血中に溶け出さないよう乱用防止の工夫をしているという。

 適用は中学生ぐらいまでの子どもに限る。承認後、来年2月ごろに発売される見込み。

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