「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざも、もう通じなくなったように思う。ここ数年は暑さは「彼岸まで」続き、今季は「彼岸過ぎても」と言うべきだろう。やっと秋らしくなったが、九月中は「今日も暑いですね」があいさつ代わりになった。
暦の上では秋に入ったお盆前から厳しい残暑に見舞われ、備後では府中市が八月十七日に観測史上最高の三八・五度、翌十八日は高梁市が同じく三九・〇度を記録。そのまま九月に突入し、連日真夏日が続いた。
九月の猛暑の影響をまともに受けたのは運動会だ。全国各地の小中高校で、当日や予行演習中に熱中症になる児童生徒が出た。近隣では岡山県矢掛町内の高校で十九人、三次市の中学では三十一人が、気分が悪いなどの症状を訴え、救急車で病院へ運ばれた。
岡山市の娘の中学校でも、当日は本当に暑かった。保護者にはテントが用意されたが、生徒たちは炎天下のグラウンドで終日競技と応援となり、帽子もかぶっておらず、数人が倒れた。他の学校では予行演習後に保健室に駆け込むケースもあったようだ。
各学校は、対応に苦慮したに違いない。こまめな水分補給を呼び掛けたり休憩を十分取らせたようだが、暑さは想定を超えた。
地球温暖化で九月の暑さが今後も続く恐れがあることを考えれば、十分な対策が求められる。運動会は、以前は十月の体育の日前後だった記憶があるが、今は九月が多い。早いところは夏休み明け早々に開くが、この時期設定もいいだろうか。
(福山支社・柏原康弘)