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雨の「F1日本グランプリ」生中継を見て

垣間見えたのは放送局側の思惑

立花 健治(2007-10-03 20:20)
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 30年ぶりに富士スピードウェイ(静岡県小山町)での開催となった、F1日本グランプリの決勝が9月30日、降りしきる雨の中で開催された。

 コースコンディションは「凶悪」で、雨天用のレインタイヤを装着しているにもかかわらず、タイヤコントロールが失われ、車体の挙動が乱れる。疾走する車体が巻き上げるウォーターカーテンのために、後続の車の視界はほとんど遮断される状態だった。

 レースは強い降雨の中、スタートからセイフティーカーが先導するという異例の形で始まった。路面状況が悪いため、最高速度を制限した上で追い越しを禁止する措置だが、セイフティーカーは通常事故によるコース整備の必要が生じた場合や、レース途中で極端に雨足が強くなった場合などで登場するものだ。

  事実、今回のレースでもコース上に事故車が停止し、車体の撤去と散乱した部品の回収が必要となって、2度、セーフティーカーが投入されている。
 
 スタートから先導していたセイフティーカーは、序盤の19周でコースから退いたが、本来ならばそれだけの時間は、スタートの延期を決断すべきだったのではと、私は考える。

 ドライバーの安全とレースの公正さを考えるならば、スタートの延期が主催者側の正しい判断なのではと考える。スタートグリットからの通常のスタートでは、第1コーナーへの飛び込みが危険すぎるのなら、周回状態からレースを開始するローリングスタートという選択肢だってあり得たはずだ。
 
 私はここに、レースを生中継するテレビ局側の思惑や、主催者側の配慮を見たような気がする。高い放送権料を払ったテレビ局としては、放送スケジュールに合わせてレースが開催されることを望むのだろうが、モータースポーツ全体を含め、レースは文字通り「水もの」。ふたを空けてみなければ結果は分からないのだ。

 繰り返して言うが、ドライバーの安全を守るためには、スタートの延期という決断を下すのに、そのような思惑は一考だにする必要はないのだ。

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