ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン群馬> 記事

ムササビの赤ちゃん森へ

2007年10月03日

写真

ムササビを大事そうに抱える中島里美さん=桐生市の「桐生が岡動物園」で

 桐生市の桐生が岡動物園に保護されているムササビの赤ちゃんが、森に帰る日が近づいてきた。引き取られた時は、生まれたばかりで目も開いていなかったが、職員の手厚い世話を受け、ほぼ一人前の大きさに成長した。

 ムササビは7月22日、富岡市の妙義神社で、伐採された木の中から出てきた。近くに親は見あたらず、県自然環境課を通じて、2日後に桐生が岡動物園に引き取られた。

 ムササビの「養育係」は、園内でただひとりの獣医師、中島里美さん(30)が務める。桐生が岡動物園に勤務して5年、保護された動物の世話を担当してきた。

 当初は無事に育つか心配だった。「エサをやろうにもあまり食欲がなく、下痢や夜泣きを繰りかえしていたから」と中島さんは振り返る。

 4〜5時間おきに世話が必要だったため、夜になると自宅に連れ帰った。3時間ごとに注射器でミルクをやったり、独力でできなかった排泄(はい・せつ)をティッシュペーパーを使って手伝ったり。食欲の有無や体重などを毎日ノートに記録して、体調の変化を見逃さないようにした。

 それから2カ月余り。約120グラムだった体重はいま、約750グラムまで増えた。事務所の檻(おり)から出されると、机の間をはね回る。

 順調にいけば、今月中にもムササビは県内の落葉広葉樹の森に帰される。中島さんは「ちょっと寂しいけれど、自然のなかで元気に育って、家族をたくさん作って欲しい」と話している。

ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る