幼児 小学生 中学生 高校生 メンバーに登録するとお子さまに合わせた情報に切り替えられます。
トップ > 教育ニュース > 早くも分かれる「教員免許更新制」導入の評価
教育ニュース

早くも分かれる「教員免許更新制」導入の評価

[教育動向]

斎藤剛史

2007/08/09 15:00:00

先の通常国会で教員免許法が改正され、2009(平成21)年度から教員免許の更新制がスタートします。これまで一度取得すると生涯有効だった教員免許に一律10年間の有効期限が設けられ、免許を更新するために年間30時間程度の更新講習を受けることが義務付けられることになりました。
社会的に大きな注目を集めた教員免許の更新制は、実際にはどのように運用されるのでしょうか。

まず、指摘しておかなければならないことは、導入される教員免許の更新制はいわゆる「問題教員」の排除を目的としたものではないということです。
マスコミなどはで当初、問題教員の排除のための方策という報道が大きくされましたが、改正教員免許法は免許更新制の狙いを、教員の資質・能力のリニューアル(刷新)としています。
安倍晋三首相が設置した教育再生会議は、教員免許の更新制を問題教員の排除方策に位置付けようと検討しましたが、免許制度全体にかかわるため、できませんでした。
ただ、教員免許法と同時に改正された教育公務員特例法のなかで、現行の指導力不足教員の認定制度をより厳しくして、問題教員を免職にできる仕組みをつくっています。

教員免許の更新講習の内容は、「教科の指導力」「社会性・対人関係」「使命感・責任感」「最新の教育課題」「生徒指導・学級経営」の5科目が検討されており、大学の教育学部や教職課程の教員などが担当することになっています。
文部科学省が更新講習の修了基準を策定し、その基準に満たない教員は講習修了とみなされず、教員免許が失効しますが、あくまで目的は資質・能力のリニューアルであるため、「よほど問題がない限り修了できる」(文科省)ようです。
また、現職教員の講習費用については国や地方自治体が何らかの形で負担する方向で文科省は検討しています。

このほか、年間約10万人の教員が更新講習を受講しなければならないため、更新講習の受講資格は現職教員(非常勤講師含む)と教員採用内定者に限られ、教員免許をもっているだけのいわゆる「ペーパーティーチャー」は、更新講習を受ける資格がありません。
教員免許が失効してしまったペーパーティーチャーが教員になりたい場合、教員採用の内定を得てから免許回復講習を受ける必要があります。

さて、いよいよ実現することになった教員免許の更新制ですが、教育関係者などの間では評価が二つに分かれています。
一つは、10年に一度講習を受けることで教員の資質・能力の向上が図れるという意見。
もう一つは、30時間の講習を黙って聞くだけで効果は期待できず、国民の税金と多忙な教員の時間を浪費するだけだという意見です。

いずれにしろ、教員免許の更新制は本当に教育を良くするために役立つのか、注意深く見守っていく必要があるでしょう。

斎藤剛史さんプロフィール

斎藤剛史さんプロフィール

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。
日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

この記事へのコメント

この記事にコメントを投稿するためにはログインが必要です。
コメントは編集部がルールに基づき確認してから掲載します。
※掲載されたコメントは、あくまでも個人の意見や考えを基にしており、内容については編集部では保証できません。

としまま2号 投稿日時 2007/08/23 12:57:57

質問なんですが、わたしは教員としては、働いたことはないのですが、教職資格があるということで塾教師をつづけています、そういった場合も必要なのでしょうか?そして講習を受けない場合更新できずに資格を失うということになるのでしょうか?
わたしのように何十年も前に資格があればととっているようなひとなどどうなるのでしょうか?

カノンゲート 投稿日時 2007/08/23 14:33:00

教員免許更新制には賛成です。例えばパソコン教育について言えば、若い先生方はパソコンの得意な方が多いようですが、中高年以上になると、今更新しいものには勉強したくない。ということで、そのような先生に担任された児童は、他の学級に比べて著しく公平を欠く事態になると思います。従来の研修制度は希望研修なので、自分のやりたくないものについての研修受講に強制力を持たすことが不可能でした。
                元小学校校長

学級通信チャレンジ 投稿日時 2007/08/23 15:04:25

 毎日仕事を持ち帰り、子供の家に電話をしたりで、寝るのは12時過ぎが当たり前。土日には、その中での遅れを取り戻そうと仕事をしているような状態の中で、30時間もの時間をどうやって確保するのでしょうか?夏休みには、さすがに持ち帰りの仕事はないものの、夏休み中の大会の指導などで、ほぼ毎日出勤、夏期休暇分の5日しか休みはありませんでした。土日には、溜まった疲れをとるので精一杯。やりたいことも殆どできず、寝る時間が殆どです。体重も2,3学期から1学期を終えた時点で、7kgも落ちています。
 これで、30時間もの時間をどうやって確保するのでしょうか?これに研修場所への移動の時間も入れたら、「過労死」の字も見えてきます。

soukuma 投稿日時 2007/08/26 03:33:12

 以前教員をしていました。育休終了後に職場復帰しましが、あまりの多忙だったので、結果的に退職しました。子どもが大きくなったら復帰しようと考えていました。
 しかし、今回の免許更新制度で私は講習が受けられないほうに入ります。
 地方や小さな学校では、正規採用ではない講師の先生を入れなくてはなりません。講師として雇われるのは、定年・退職した教員か教員採用試験で落とされた教員浪人生が主です。定年・退職した先生方は当然更新制度に引っかかりますので、教員浪人生に比重が傾くことが予想されます。
 私は、教員時代、管理職から質の向上は時間外に行うようにといわれました。
 免許の更新制度を導入したからといって、先生方の質は変わりません。なぜなら、みんな同じ講習を受けるのでしょうから。さらに、講師の人数不足または、講習対象の先生方の過剰労働(30時間の講習時の授業変更した分の更なる授業時間数増)。これで、教員の質の向上が図れるなどとどうしたら考えられるのでしょうか。
 教員の人数を1.5倍に増やすか、せめて事務的な部分だけども完全に教員と切り離し教師が授業と生徒に専念できる環境を作れば、勝手に質は向上します。なぜ、そのことを政府等は分かってくれないのでしょうか。

トラックバック

この記事のトラックバックURL | http://benesse.jp/tb/20070809/p2
トラックバックする際は、トラックバックのルールをご参照ください。

「Bnensse教育情報サイト」にメンバー登録しよう!
  • 図書カードに交換できる「活動ポイント」がもらえる
  • 子どもの教育について保護者同士で相談できる
  • 進学させたい学校の保護者の体験談が読める
  • 専門家の書いたオリジナルコラムが読める

詳しく読む

登録はこちら

Benesse教育情報サイト
メンバー募集中

学校情報検索や会議室をすべて無料で利用できます!

子どもの教育相談室
新着発言
検索する