宇都宮放送局

2007年10月3日 12時17分更新

妊婦搬送拒否3年で60件


救急車を呼んだ妊娠中の女性が医療機関に受け入れを断られるケースが相次いでいますが、栃木県内では去年までの3年間で妊娠中の女性の救急搬送で1か所以上の病院に受け入れを断られたケースは少なくとも60件あり、中には5か所で断られたケースもあったことがわかりました。
奈良県で救急車を呼んだ妊娠6か月の女性があわせて10の医療機関に受け入れを断られた末に死産した問題を受けて、消防庁と厚生労働省は各都道府県に実態を調査するよう求めました。
栃木県が県内の消防本部を対象に調査したところ、県内で去年までの3年間に妊娠中の女性の救急搬送で1か所以上の病院に受け入れを断られたケースは60件あることがわかりました。
このうち日光市では去年、当直の医師が産科の専門の医師ではないことを理由に5か所で断られたケースもあったということです。
また茂木町では去年、出血を訴えた妊娠初期の女性が最も近い水戸市内の病院に多忙を理由に受け入れを拒否されるなど3か所で断られ、最終的に受け入れ先が見つかるまで2時間近くもかかっていました。
今回の調査は国への報告までに集計が間に合わないとして回答していない消防本部があるため、受け入れを断られたケースは実際には60件を超える可能性もあるということです。
栃木県では、「たいへん重い数字だと受けとめている。
県と消防、それに受け入れ先となる各病院との間で、改善策を検討しなければならない」と話しています。