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民主・渡部氏の政治団体 名義借り、事務所費1.7億円

2007年10月03日06時23分

 民主党最高顧問の渡部恒三衆院議員(福島4区)の政治団体「新時代の会」が04年までの12年間、事務所として使っていなかったおいの佐藤雄平福島県知事の自宅マンションを「主たる事務所」として総務省に届けていたことが分かった。渡部氏の秘書を務めていた佐藤氏は自宅について「名義を貸していただけで、家賃も光熱費ももらっていなかった」と話しているが、同会はその間、事務所費など計約1億7800万円の経常経費を支出していた。

 「主たる事務所」を佐藤氏の自宅に置いたことについて、渡部氏の秘書は「事務所の実態は議員会館にあり、実態に即していないと言われればそうかも知れない」と話している。

 政治資金収支報告書などによると、「新時代の会」の事務所は現在、東京都千代田区の渡部氏所有のマンションの一室としているが、93〜04年の12年間は新宿区にある佐藤氏の自宅マンションとしていた。

 総務省によると、主たる事務所とは「政治団体の政治活動の中心となる場所」。佐藤氏は98年まで渡部氏の秘書を務めており、参院議員を経て06年11月に知事に就任した。自宅について佐藤氏は「秘書だったから事務所の名前を貸しただけ」と説明。渡部氏の現在の秘書も「事務所の実態は議員会館にあったが、届け出ることができなかった」と話した。衆院事務局によると、94年の衆院議院運営委員会の決定で、資金管理団体以外の政治団体の事務所を議員会館に置くことができなかったという。

 政治資金収支報告書によると、同会は04年までの12年間で、事務所費約9919万円など計約1億7800万円の経常経費を支出していた。事務所費の内容について、渡部氏の元秘書で同会の会計責任者は「政治活動費でもなく、一般の経費でもない支出は事務所費にするしかなかった」と説明。秘書らが移動に使うタクシー代や、事務所の忘年会費なども含めたという。

 総務省によると、事務所費は家賃や電話代、切手代など「事務所を維持するのに通常必要とされる経費」だという。

 同会に対してはこの間、渡部氏の資金管理団体「恒山会」が3億8400万円、渡部氏が代表を務める政党支部が5380万円を寄付している。

 また、「新時代の会」の代表は渡部氏の支援者が務めていたが、00年に死去。会計責任者だった渡部氏の親類も既に死去しているという。しかし、同会は今年7月まで変更を届けていなかった。これについて、渡部氏の秘書は「怠慢といえば怠慢。目配りが利いていなかった」と話している。

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