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救急車 タクシー代わりに呼ばないで:札幌市消防局 急患対応遅れ心配

 救急車は無料のタクシーではありません--。「ちょっと具合が悪い」との119番通報で救急車が駆け付けたらただの酔っぱらいだった、といった安易な救急車の利用が札幌市で増えている。全体の救急搬送件数が増加傾向にある中で、市消防局は「救急車が本当に必要な急患への対応が心配される」と節度ある利用を呼びかけている。

 救急車の搬送件数は89年の3万6045件が06年には7万5893件と倍増している。市消防局救急課によると、悪意はなくてもタクシー代わりに救急車を利用するケースも頻繁にある。

 最近の具体例では▽「画びょうを踏んだ」だけで「足が痛い」と通報▽「酒の飲み過ぎ」「眠れず寂しかった」といった理由で「ちょっと具合が悪い」と通報▽「日焼けサロンで焼きすぎた」のを「やけどした」と通報▽「マニキュアの除光液が顔に飛んだ」からと「顔に薬品がかかった」と若い女性の母親が通報--など。

 通報があれば原則として出動し病院に搬送する。入院せずに済んだ患者は軽症に分類される。06年度の搬送件数のうち軽症は3万8817件で全体の56・3%を占めた。

 市消防局の救急車は31台。1台増やすと職員10人の増員が必要になり、人件費を含め約1億円かかるという。同局救急課は「判断に迷った時は利用して構わないが、自分が利用することで、命にかかわる人への救急車の到着が遅れる場合があることを考えてほしい」と話している。

【内藤陽】

 2007年10月2日

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