北九州市の生活保護行政を検証する第三者委員会(委員長=稲垣忠・北九州市立大特任教授)は1日、中間報告を北橋健治市長に提出した。保護希望者を門前払いする同市の「水際作戦」について「入り口を不当に狭める対応だった」と批判。さらに、自立のめどを確認せず保護を打ち切るなどの不適切な対応が数多くあったと指摘し、生活保護制度の抜本的な改善を求めた。
報告書は、同市が過去に頻発した不正受給の排除を徹底するあまり、生活保護法の精神に沿わない不適切な対応を続けたと分析。生活保護受給申請を断られたり、打ち切られた人が孤独死した3例を調べ、(1)家族・親族に援助の余裕がないのに、親族の扶養義務を強調して申請を拒否(2)就業状況など自立のめどを確認しないまま保護を廃止--などの問題点があったことを認めた。【古川修司】
毎日新聞 2007年10月2日 東京朝刊