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【社会】

ニセ眼科医を逮捕 岐阜・北方、医師法違反容疑

2007年10月3日 朝刊

河口容疑者が偽造した医師免許証のコピー(手前)などの証拠品=2日午後、岐阜県警北方署で

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 医師資格を持たない男が岐阜県北方町で眼科診療所を開設していた事件で、県警生活環境課と北方署などの合同捜査本部は二日、医師法違反(無資格者の医業禁止)の疑いで同県瑞穂市野白新田、無職河口哲也容疑者(32)を逮捕した。「母が病弱で父一人で生計を立てており、金もうけをして親を楽にさせようと思った」と動機を話している。

 調べでは、河口容疑者は北方町のショッピングセンター内に開設した眼科診療所「アイクリニック北方」で、二〇〇五年十二月三日から今年七月三十一日にかけて患者十人に二十六回にわたって問診や検眼をし、コンタクトレンズの処方などの診療行為をした疑い。この間、約七千五百人に約一万二千五百回の診療行為をし、約五千五百万円の収入を得ていた。七月末には、とびひだった男児(3つ)を結膜炎として目薬を処方し、症状を重くさせた誤診もあった。

 河口容疑者は大学中退後にフリーターをしていたが、二〇〇一年夏にインターネットで「年収二千四百万円」との眼科医の求人広告を見て、にせ医者を思い立った。インターネットのサイトで見つけた医師免許証の写真をパソコンに取り込み、自分の名前を書き入れるなどして偽造。これを医師免許のコピーとして県に提出した。

 同県関市内の眼科診療所で非常勤医として勤め、〇二年から約二年間は関市内で眼科診療所を開設した。

 その後、同県大垣市内の病院に勤め、〇五年十一月にアイクリニック北方を開設した。眼科医の知識は書籍やインターネットなどで独学して得たという。

 県警は免許証偽造について有印公文書偽造・同行使容疑で調べる。河口容疑者は保険医登録もしており、診療報酬をだまし取ったとして詐欺容疑でも追及する。

◆「無免許なのに報酬請求とは」

 河口容疑者が眼科診療所を開設していた岐阜県北方町のショッピングセンター内のコンタクトレンズ販売店では、女性店員が「やったことを考えると逮捕も仕方がない。(九月二十一日からは)別の先生が診ておられるので、心機一転頑張っていきたい」と淡々。レンズ用品を買いにきた北方町の主婦(35)は「無免許なのに診療報酬を請求していたということになるのでは。その分の返却がないとしたら、おかしい」と納得できない様子だった。

 

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