
標的は未使用の軍建物とアサド大統領、イスラエル機の「空爆」
2007.10.02
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20:16
JST
- CNN/AP
ベイルート――イスラエル軍が9月6日、シリア北部の砂漠に領空侵犯、軍戦略施設を空爆したとされる問題で、同国のアサド大統領は1日、攻撃を受けたのは使われていない軍の建物だったと述べた。英BBC放送が会見記事として報じた。
この建物が以前、何に使われていたのかには触れなかった。同大統領が6日の空爆に言及したのは初めて。この空爆は、イスラエルが軍事作戦には言及しないとの立場でほぼ完全沈黙すると共に、情報が錯綜し謎だけが深まる問題となっている。
空爆に関しては米政府高官らが標的の施設はシリアが北朝鮮と協力して進めていた核関連もしくはミサイル関連施設の可能性があると述べていた。
シリア政府はイスラエル機が領空侵犯して、爆弾を投下し、対空砲の反撃を受けて領空外へ去ったことは認めている。施設や人間に被害はなかったとしていた。また、シリア内の北朝鮮の協力を得た核関連施設は存在しないとも主張していた。
イランがレバノンのイスラム強硬派勢力ヒズボラへシリア経由で供与した武器保管庫が空爆の狙いだったとの報道もあったが、シリア政府はこれも否定している。
北朝鮮もシリアへの核協力を打ち消している。イスラエルは、軍事作戦の詳細には触れないとの立場を維持している。
この中で英紙サンデー・タイムズは最近、イスラエル軍の奇襲部隊が6日以前、シリア北部の秘密軍事拠点から北朝鮮が供与した核関連物質を押収した、と報じていた。イスラエル、米国の消息筋を引用している。
奇襲部隊の攻撃があった時期には触れていなかった。しかし、イスラエルは米国に核関連物資の隠匿の証拠を示し、6日の空爆の承認を得たとしていた。米政権高官筋の情報として、米国は空爆実施前に核関連物質の証拠を求めたともしている。核関連物質の存在が事実なら、シリアは北朝鮮の協力を得て核開発に着手したとも受け止められている。