TBS

コンテンツへジャンプ

番組ページにジャンプ!


ここからコンテンツです

噂の現場

全国で上がる悲鳴!家が建たない!何のための法改正か!?

2007年9月23日放送 
参考画像

いわゆる「姉歯事件」をきっかけに建築基準法が改正され、今年6月20日に施行された。施行後、なかなか家が建たないという噂を清水國明が取材した。
最初の現場は横浜市。マンション建築で地下工事の途中で止ったままだ。施主は「老後の生活にそなえ退職金をはたいて賃貸マンションを建てているのだが・・・」という。ところが階段や窓の位置を変更しようとしたところ、新法では確認申請後の変更は認められない。新たに「変更確認」の審査が必要となり工事が3ヶ月間も止まったままだ。
建築機材のリース料、ローンの支払いなど想定外の負担が増大、予定していた来年4月の入居も先送りとなり踏んだり蹴ったりだと嘆く。変更の認可が下りるのは約1ヵ月も先になるという。

参考画像

法改正の主なポイント
1、構造計算適合性判定制度の導入(専門家による二重チェック体制)
2、審査期間の延長
3、厳格な審査の実施
これを受け建築確認申請にも混乱が起きている。
横浜市の建築審査課では毎日、設計士たちの行列が続いている。ある設計士は「民間の検査機関は11月まで受付けないというところもあるが、役所は受付しないわけにはいかない。だが内容の不備を細かく指摘し、10人の設計士が申請に行っても1人しか受理されなかった」とぼやく。
こうした混乱は全国でも起きており7月の住宅着工数は去年と比べて23%も落ち込んだ。
混乱の原因として、「法律施行の準備不足」を指摘する設計士も多い。施行後、運用の基準となる解説書が出るまで約2ヵ月もかかった。この間、開店休業状態になってしまった建築関係者が数多くいたという。

参考画像

新たなチェック体制もとられた。これまでの建築確認は、申請は自治体や民間などの検査機関が審査しておろしていたが、今回の改正法では、マンションやビルなど一定規模以上の建物については、自治体・民間の検査機関とは別に専門家がチェックすることになった。つまり二重のチェックだ。
建築確認の審査期間も21日間から35日間に延長(詳細な構造審査を要する場合は最大70日間)。
構造計算に重要な役割を果たすのが「大臣認定ソフト」なのだが、それすらまだ完成していない。さらに、あるソフト会社の経営者は「ソフトによる審査の省略化が偽造の見逃しにつながる恐れがある」という。
設計士、工務店などの建築業者、施主からは負担が増えただけという声が多く聞かれた。
こうした声について国は、周知不足は認めるが、「姉歯事件」の再発は防げるという。

現在のような状況が長引き住宅着工件数が大幅に下がれば、建築関係の業種は幅広く経済的損出も甚大、景気にも影響が及ぶ心配もある大問題ではないだろうか。