千曲市の長野赤十字上山田病院で1日、経営審議会が開かれ、来年3月の閉院方針を撤回し、自治体による財政支援などを条件に、最長1年間、運営を延長する方針を示した。
同病院は今年6月の経営審議会で、医師不足や経営悪化を理由に閉院方針を打ち出していた。7月には一由武男院長や長野赤十字病院(長野市)の清澤研道院長などによるプロジェクトチームを立ち上げ、その後の医療について検討。その間、地元自治体の財政支援や医師確保など、存続に向けた検討が続けられてきた。
この日の審議会で同病院は▽08年度の約1億3500万円の赤字などを地元自治体が全額負担▽入院機能を持たず、診療施設と位置付ける▽撤退後の医療については自治体が主体となって検討する、などを条件に09年3月までの存続を提示した。
来年度の診療体制については診療科目を大幅に縮小し、外来診療・透析診療・訪問看護など在宅医療の3部門。医師は常勤の内科医2人と非常勤の整形外科医1人の計3人と透析専門医が週1回派遣される、診療所形態での運営となる。
審議会には2自治体と病院関係者、地元住民ら14人が出席。この提示に千曲市の宮坂博敏市長らは前向きな姿勢を示した。一方、中沢一・坂城町長は「入院施設のない我が町にとって、入院機能があることが基本。病床・福祉施設について、『将来にわたって大丈夫』という形が見えたら、財政支援を検討する」とした。【谷多由】
毎日新聞 2007年10月2日