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【群馬】医師不足で婦人科休診 県立がんセンター 『医師派遣を交渉中』2007年10月2日 建て替えにより五月から新病棟での診療を始めた県立がんセンター(太田市高林西町)の婦人科が、医師不足のために一日から休診したことが分かった。県病院局は「来年四月一日から診療を再開できるよう、大学病院などと医師派遣の交渉をしている」というが、慢性的な医師不足に頭を悩ませている。 (禰宜田功) 一日の県議会一般質問で金田克次氏(自民)の質問に、県病院局が明らかにした。 同局によると、十三の診療科が設置されている同センターは、五月から最新設備を整えた新築の新病棟で診療を始めた。昨年度、婦人科だけで延べ一万八百七十二人の外来患者を受け付け、外科と合わせた入院患者は延べ一万三千七百人。休診することを受け、入院患者はすでに転院し、通院患者には約一カ月前から、主治医が休診の説明を行い、ほかの病院へ紹介状を書くなどの対応をしたという。 婦人科には群馬大医学部から医師三人が派遣されていたが、医局の医師不足を理由に昨年十二月、同大から三人を引き上げたいと申し出があり、四月から三人のうち一人を常勤とし、もう一人を週一回の非常勤として診療を続けることで合意。しかし八月下旬、常勤の医師から「自己の都合で九月末で退職したい」と申し出があり、非常勤医師も同大に復帰することになり、後任の医師も見つからず、休診を余儀なくされた。 同局では、同科の医師不足の背景として、二〇〇四年四月から始まった卒業後二年間の臨床研修の義務化を指摘している。義務化に伴い研修先を自由に選択できるようになり、地方から、待遇がよい大都市に研修医が流出。県内でも〇四年には百八人の研修医がいたが、〇五年には八十六人に減少。また義務化により、二年間は新人医師が実質いなくなり、医師不足に拍車がかかっているという。
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