阪神のジェフ・ウィリアムス投手(35)に対し、メジャー数球団が獲得に向け調査を行っていることが30日、明らかになった。シーズン当初から阪神戦を視察するヤンキース、レッドソックスなどメジャー球団のスカウトが見られたが、シーズンオフとともに一気に争奪戦へ発展する可能性が出てきた。ウィリアムス流出となれば、阪神にとっては一大事だ。
米球界関係者の衝撃的な発言が飛び込んできた。
「今年のオフはジェフが主役になるかもしれない」
ジェフとはもちろん阪神が誇るセ界最強、いや日本球界最強リリーフである「JFK」の一角を担うウィリアムスのことにほかならない。
シーズン当初からネット裏にメジャー球団のスカウトが多く見られた。シーズンが深まるにつれてその数が増え、注目度は高まる一方だった。
メジャーでは慢性的な左腕不足に加えて、昨オフ、日本ハムからFAで移籍した岡島の活躍で日本球界で活躍する左腕リリーバーに注目が集まっている。“日本のサウスポーを獲れ”。各球団GMの号令の下、『第2の岡島』探しに極東スカウトが血眼になって調査。たどり着いた答えが皮肉にもメジャー時代には活躍できなかったウィリアムスというわけだ。
今季の成績を見ても59試合に登板し、1勝2敗42ホールドで防御率は0・56という驚異の数字をたたき出している。現在の日本球界においては球威、コントロール、安定感など、どの項目においてもトップクラスの投手といえるだろう。
ウィリアムスは昨年オフに阪神と2年契約を結んでいるが、前出の関係者は言う。「詳細は分からないが、インセンティブ契約の中に試合数とかホールド数などある一定の数字をクリアすれば、来季契約の選択権がジェフに持てる契約があるようなんだ」。つまりインセンティブをクリアすれば実質的にFAになれるのだ。この情報が各球団に流れたとみられる。
ウィリアムス本人は9月21日付デイリースポーツ紙インタビューでも答えているように米球界復帰を否定している。
一方でレッドソックスやヤンキースなど資金力の豊富な球団が本気で獲得に乗り出せば、情勢はどうなるか分からない。ある関係者は「年俸で300万ドル(約3億5千万円)を用意している球団もある」と証言する。
シーズン終了とともに争奪戦に発展する可能性は否定できず、来季のV奪回を目指す岡田阪神にとって心休まらないオフになるかもしれない。