宅配分野でゆうパックと競合する物流業界は、むしろ「お手並み拝見」の構えだ。業界内では「すでにゆうパックとは競争関係にあり、特に何も変わらない」(ヤマトホールディングス)と冷静な見方が代表的だ。
ヤマトHDはこれまで、郵政側に公平な競争条件の確保と情報開示を求めてきた経緯もあるためだ。とはいえ、9月末から矢継ぎ早に新サービスを発表。1日には、企業のリコール・自主回収をまとめて支援する「リコールサポートサービス」を開始した。製品回収・告知・電話受け付けを専門スタッフが一手に引き受けるというHD内のネットワークを駆使した商品。郵便事業会社にはないサービス展開が目立つ。
日本通運は「民営化でどう変わるのかは分からず、しばらく様子を見たい。協力できることがあれば検討したい」(広報)。一部のコンビニエンスストアのゆうパック集配で提携していることもあり、こちらも静観している。【辻本貴洋】
毎日新聞 2007年10月1日 20時57分