筆談器
2007年度 グッドデザイン賞 受賞
  • 受賞番号:
    07A01054

  • 部門/分類:
    商品デザイン部門 / 身のまわり商品

  • デザイナーの顔写真

開発デザイナーの主張

  • プロデューサー
    ケミテック株式会社

  • ディレクター
    特定非営利活動法人 阿波グローカルネット 代表理事 本田圭一

  • デザイナー
    有限会社コンセプトデザイン研究所 代表取締役 倉橋雄二

  • デザイナーのコメント
    このコンセプトを聞いた時に、強く商品化したいと思った。今までの筆談器は携帯性が悪く、耐久性の無い物であったので、まず耐久性があり、はっきりと文字が見える筆記材料を探していた時、ある展示会で適材なシートを見つけたので、薄く、軽く、書きやすいデザインをすることができた、そこで東京デザインマーケットに応募、試作品出展をへて、製品化が実現した。商品化するにあたり協力してくれた人達や企業に深く感謝したい。

  • デザインのポイント
    1.いままでのマグネットを動かすのではなく、シートを動かして消去する構造により、薄く、軽いデザインを実現
    2.シートと本体が密着しているので、既存商品と違い、しっかりした筆記面で大変書き易いデザイン
    3.弱視の人にも見つけやすいカラーリングと、携帯しやすいようにストラップなども取り付け可

  • ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項
    筆談器を高い使用頻度で使用する人達は既存の商品は短期間で筆記面が破損する事と、携帯が不便だと聞いた。耐久性があり、書いた文字の視認性の良い筆記素材が幸いにも文具の展示会で見つかった。まず、携帯性を重視し、デザインコンセプトを「紙のように」とした。軽量化と薄さを実現するための検討している時、既存商品のほとんどはマグネットを動かして文字を消去するため、そのマグネットを動かすための隙間が必要になり厚くなっていることが判明。また、その隙間のために筆記面がフワフワして書きにくいことと、シート側を動かせばその隙間が必要なくなり薄くできる事に気がつき、基本構造を決定し、後は使い易さのデザインを検討した。
  • 製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応
    デザインの段階では筆記面のシートを交換できるように検討していたが、製品のコストのほとんどがシートであることと、販売価格を低価格に押さえられたため、筆記シートを交換した場合、交換送料や手間などで製品販売価格と変わらなくなるので、新規に買い替えてもらう事にした、ただし裏面のネジを外すとシートと樹脂部品は完全に分離できるようになっているので交換は可能である。シート表面はペット樹脂、内部は酸化鉄、本体はABS樹脂なので廃棄上問題ない素材である。
  • デザインが技術・販売等に対して行った提案
    商品化にあたり多くの人達に利用してもらえるように低価格にしたかった。そのために、部品点数をできるだけ少なくし製造コストを押さえることはもちろんだが、販売方法をもケミテック株式会社・NPO法人阿波グローカルネット両社が販売代理店となり、HPや口コミを通じた無店舗販売による直接販売で流通経費を少なくし、価格を安くすることにした。また、阿波グローカルネットは福祉関係者に幅広く広報活動を展開し、徐々に販売台数や問い合わせが増えている。