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│<< 前のページへ │一覧 │2007/09/30
とうとうやっちまいました、10000文字オーバー。
書き込めなかったので、分割です(汗)。 さて、ここからはガラにもなくイメージ的な側面のツッコミです。 かく言う私も、スーパーセブンやエレスチャル、ロシレムについて、 これまで何回も無粋なツッコミをしてきました。 しかしながら、私自身としては、ある程度の節度は守ってきたつもりです。 その節度とは、まったく別の分野を根拠にしないこと。 反対意見を述べるならば、なるべく同じ土俵に立つことです。 ロシレムについてツッコミを入れたときも、 ロシレムに「ウラルの女神」を持ち出すならば、 ウラルで起こった核施設の事故について沈黙しているのはおかしいのでは、 という趣旨でした。 エレスチャルビーズに疑問を呈したときも、 エレスチャルというのは形に対して付けられた名前なのに、 内包物があるからエレスチャルというのはおかしいとつっこみました。 存在しないと言い切った「エレスチャル・スーパーセブン」は、 「エレスチャル」と「スーパーセブン」というそれぞれ違う人が付けた名前が 一つになるわけがない。よって「この名前は」存在しない、と、 安易な販売姿勢についてもの申しているわけです。 すでにご存じのように、私はかなり鉱物の分野にも足やら頭やらをつっこんでいますが、 だからといってイメージ的な側面を否定しているわけではありません。 「自分が感じられない」ことは理由にはならないし、 まったく分野が違う根拠も理由にならないのです。 まさか、心の存在が科学的あるいは物理的に証明できないのだから、 心などというものは存在しない、とは言えないし、言わないでしょう。 同じように、ヒーリングなどのイメージの分野を 科学的な根拠で断じることは、おかしなことだと思います。 無粋ですし、そんなことをしてもまったく楽しくありません。 イメージだというのならば、もっと自由に、鷹揚に楽しんでもいいでしょう。 しかし、イメージ的なことであっても、 そこに商業的な思惑が絡み、ごまかしとなるのならば話は別です。 その点では、 昨今「スーパーセブン」として売られているビーズのかなりの部分が、 命名者であるメロディ氏の言う基準に照らしてその名にふさわしくない石であり、 「スーパーセブン」という名を用いながら、 説明はいい加減、石もいい加減な店の態度には、 はっきり「おかしい」と言いたいです。 また、イメージ的な石の名前でありながら、 「……と学者が言っている」「……という分析結果が出た」 などと「科学的(に見える)根拠」を引き合いに出して、 さも特別であるように見せかけるならば、 それこそ「科学的」「鉱物学的」根拠によって、 「存在しない」と断じられても、それはそれで仕方がないと思います。 今回のスーパーセブンについては、 「鉱物名」というややイメージ以外の要素が入れられ、 それが名前の根拠になっていますが、 まさか、クリスタルヒーラーが、鉱物学者並みに鉱物について詳しい、 そうに違いない、そうあるべきだと考えている人は少ないと思うので、 目くじら立てて指摘するまでもないのではないでしょうか。 今回のタイトルは「スーパーセブンは存在するか」。 KURO的答えは、イメージ的に存在する。 スーパーセブンと名付けられた石に、七つが存在し得ないとしても、 それは、存在しないことの理由にはならない。 むしろ、人に何かを感じさせる「スーパーセブン」という石は存在すると思うのです。 (鉱物学的にフォローするなら、最新技術で詳しく調べると 水晶に内包される鉱物は実にいろいろで、 スーパーエイトでもナインでもあり得るかもしれないそうです) ただし、(何度も繰り返しますが)スーパーセブンを楽しむならば、 メロディ氏がブラジルの石に付けた名前であることや、 七つの要素の名前くらいは知っておきましょう。 そして、いったい7つ中いくつの要素が揃っていたら、 スーパーセブンとして納得できるのか、考えてみてはいかがでしょう。 いい加減な店もあるので、七つの要素の名前がだぶっていたり、 インド産をスーパーセブンといっていたりします。 かなり長々と書いてしまいましたが、 おそらく「きれいならそれでいいんじゃない?」と おっしゃる方がいらっしゃると思います。 「きれいならいいじゃない」「好きだからいいじゃない」 それはまったく正しいです。 でも、「……というパワーがあるといわれています」 「珍しい」というような理由をまったく抜きに 「きれい」「好き」と思えているかというと、 個人的にはやや自信がありません。 「きれい」「好き」というのは、単純でありながら、 本当にそう思えているか? と自問すると、 自らの心を見直す、シビアな問いかけになるような気もします。 スーパーセブンも同じこと 出会いやきっかけは 「有名なメロディさんが言っている石」 「すごいパワーがある石」 でもいいけれど、自分が選んだ「その」スーパーセブンの「どこ」が好き? 選ばなかった隣のスーパーセブンよりも「どこ」が魅力? ……と自分に問いかけてみてはいかがでしょう。 最後に。 「スーパーセブンは一つの鉱山からしか採れない」 「その鉱山は閉山した」といわれますが、 最初にスーパーセブンが見つかったのがエスピリト・サント州で、 そこでは少量しか採れなかったようですが、後にミナスジェライス州でも採れ、 メロディ氏もミナスジェライス産を手にされているようです。 ミナスジェライスには、いくつかの鉱山があって、今も石が掘られています。 やはり、スーパーセブンに限らず、「閉山した」情報は、 あまり厳密なものではないようです……。
最近、「スーパーセブン」についてもの申されているブログがあり、 個人的にはちょっと眉間にシワで見ていましたが、 このたびWikipediaでも、スーパーセブンについての記述があることに気づいてびっくり。 まあ、私もここで好き勝手に言いたい放題していますから、人のことは言えません。、 しかし、Wikipediaとなれば、ある程度は公共的というか、 信憑性を持つととらえられてしまうと思うので、 私も、いっちょもの申してみたいと思います。 さて、ことあるごとに繰り返しているので今さらですが、 スーパーセブンとは、クリスタルヒーラーのA・メロディ氏が さまざまな内包物を持つ水晶に対して付けた名前で、 メロディ氏が特に重視していることから別名を「メロディー・ストーン」 「セイクリッド・セブン」と呼ばれます。 スーパーセブン(セイクリッド・セブン)の「セブン」は この石が水晶(クリア・クォーツ)、アメジスト、スモーキー・クォーツ ルチル、ゲーサイト、レピドクロサイト、カクコセナイトの7つの要素を 含むとされているからです。 たいていの説明では「7つの鉱物」とされていますが、 クリア・クォーツ、アメジスト、スモーキー・クォーツが 鉱物としては「クォーツ(水晶/石英)」という一つのものであることから、 「7つの鉱物」という言い方は正しくないので、 あえて「7つの要素」と言わせていただきます。 なにやらとても強い力を持つ石であるとか、浄化不要であるとか すべての石(部分)に7つ全部がそろっていなくても、全体でそろっていれば スーパーセブンと見なされるのだと言われています。 (この全体がどの範囲を示すのかは不明ですが) さて、私が最初に見ていたブログと今回のWikipediaの記述は論旨が似ています。 同じ方が書かれたのか、別の方によるものかはわかりませんが、 ここではWikipediaの記述について書いてみます。 どうぞ別窓で Wikipediaの記述を開いて、見比べながらお読みください。 Wikipediaの記述は、要約すれば 「7つの鉱物(要素)からなる石といわれるが、鉱物的に見ると正しくはなく、 ゆえにスーパーセブンという鉱物は存在しない」 ということになります。 パワー面から何か言われていたら、私にはお門違いですが、 鉱物としてもの申すというならば、私からもツッコミができます。 まずは、Wikipediaで、「鉱物的に」といいながら「鉱物的にはおかしい」点、 「……よってスーパーセブンは存在しない」と言い切る考え方のおかしい点、 それと、私のガラではありませんがイメージ的な側面からつついてみます。 では、「鉱物的にといいながら鉱物的におかしい点」から。 Wikipediaでは「鉱物学的観点から見る、この石の嘘とは?」という タイトルでまとめています。 先に挙げたスーパーセブンの要素を、 「鉱物名」と「インクルージョン名」に分け、 さらにカクコセナイトを 「アメジストもしくはスモーキークォーツにゲーサイトが入った鉱物の名称であることが明白」とし、 このことからスーパーセブンの七つの要素は揃いようがないと論じています。 (7つの要素の中でアメジストまたはスモーキーとゲーサイトがだぶるから) ルチルは「本来ルチルとは針状インクルージョンの総称であり、ゲーサイトやレピドクロサイトもルチルの一種になる。金色の針状インクルージョンのある石のみ、和名を金紅石と呼ばれている」のだそうです。 では、ツッコミさせていただきます。 最初の最初、「鉱物名」と「インクルージョン名」という分け方がそもそも変です。 確かに水晶はクリアもアメジストもスモーキーも「クォーツ」という 一種類の鉱物ですが、 のこりの4つ、ゲーサイト、レピドクロサイト、カクコセナイト、ルチルは それぞれ単独の鉱物名として存在します。 インクルージョンとは、言うまでもなく「内包物」の意味で、 「クォーツがゲーサイトなどの鉱物をインクルージョンしている」 「クォーツ中のインクルージョンとしてゲーサイトなどが見られる」 という言い方はできますが、 鉱物名、インクルージョン名という使い方をする言い方ではありません。 カクコセナイト、ルチルについての記述にも誤解があるようです。 「鉱物学的には」カクコセナイト(Cacoxenite)は、和名をカコクセン石といい、 鉄が主成分で3価の燐を含む燐酸塩鉱物です。 こちら(海外サイト)で、さまざまなカクコセナイトを見ることができます。 ここ(Wikipedia)で言われている 「アメジストまたはスモーキー・クォーツの中にゲーサイトが入ったもの」という 「カコクセナイト」は、「鉱物学」としては正しいとは言えません。 この記述が「宝石宝飾大辞典」によるものだと書かれていることから、 宝飾関係ではこのように見なしているのかもしれません。 また、ブラジルの産地ではカコクセナイトを含むアメジストのことを 「カコシッタ」「カコシータ(カコシニータ)」と呼ぶのだそうです。 言うまでもなく、内包物であるカコクセナイトのことです。 内包物の名前が、石全体を示す名前として使われているわけです。 (身近なところでは「ルチル入りの水晶」を「ルチルきれい」といったりしますね) 宝飾関係では、産地の慣習的な言い方が使われている可能性があります。 アデュラリア(氷長石)のように、鉱物としては正長石の変種、 宝飾業界(の一部)では、スイスのアデュラー山脈で採れる「透明な長石」を 鉱物的な種類にか変わらず「アデュラリア」と呼んでいたりします。 (アデュラリアの名前の由来はアデュラー山脈ですが……) ルチルは金色以外でも和名は金紅石。TiO2、酸化チタンです。 単独では金色ではなく、光を反射すると金属光沢、透けると赤く見えます。 「針状インクルージョンの総称であり、ゲーサイトやレピドクロサイトもルチルの一種」 という言い方は、すでにおわかりの通り「鉱物学的」には全くの間違いです。 宝飾の分野でもすべてがこのような言い方はしないのではないでしょうか。 「針状なら全部ルチル」などという豪快な言い方をするのは、 ビーズや一部パワーストーンくらいのもののように思われます。 さらには 「ゲーサイトとレピドクロサイトは互いに同質異像鉱物であり、 殆ど同質のものである」とあります。 これは正しいです。本格的に分析しない限り、 見た目では二つを区別することは難しいそうです。 しかし、「同質異像」について少し補足しておきましょう。 「同質異像」とは、化学組成は同じ(同質)で、 結晶の仕方が違う(異像)という意味。 成分はなるほど「同じ」ですが、鉱物としては区別されていることも多いです。 ここ(Wikipedhia)の文脈では、「ほとんど同質」だから、 わざわざ分けて考えるのもおかしいというニュアンスに感じ取れてしまいそうですが、 同質異像の鉱物にはカルサイトとアラゴナイト、 ダイアモンドとグラファイト(石墨)などがあります。 「ほとんど同じ」という言葉で安易に判断するのは危険です。 また、見た目で見分けるのが難しい(分析しなければわからない)からといって ゲーサイトとレピドクロサイトが両方含まれているわけではないと言い切ることはできません。 可能性はあるのです。 私個人としては、今まで見てきた範囲では、アメシストとルチルの組み合わせを見たことがないので、 スーパーセブンの中のルチルの存在を疑っています。 Wikipedhiaの記述は、 「インクルージョンを鉱物と同じ扱いをしている時点で、 この石の名前をつけた人物は鉱物学の知識がなく、 全くの無知であることが伺える。」と断じていますが、 私ごときにつっこまれるようでいいのでしょうか。 言わせていただければ、決して「鉱物学」として正しくないと思います。 (7つの要素として挙げている鉱物の綴りも違ってたりしますし) さて、次。 「……よってスーパーセブンは存在しない」と言い切る考え方のおかしい点、。 あ、ここでお断り申し上げます。良く読み返してみたら、Wikipediaでは 「だからスーパーセブンは存在しない」とは結論していませんでした。 そういっているのは最初のブログです。 しかし、Wikipediaの言わんとするところも 「「鉱物学的観点から見る、この石の嘘とは?」であり、 スーパーセブンの存在について疑問を呈していると思われるので、 あえて、このままで書かせていただきます。 「鉱物学的」に見て7つの要素が揃わないから、という理由は、 すでに書いたとおり、カクコセナイトもルチルも鉱物として存在することから ここ(Wikipedia)の記述は成り立ちませんが、 スーパーセブンに対して「鉱物名」「鉱物」と言おうとしていることからして かなり妙だと思います。 どなたが書かれたかわかりませんが、おそらくは宝飾関係、鉱物関係の人ではなく、 ビーズやパワーストーンよりの人でしょう。 さもなければ、そもそも「スーパーセブン」などという ヒーリング分野の名前を持ち出したりはしないはず。 少なくとも「鉱物学」というものを引っ張り出すのなら、 「何かを内包している水晶」に対して「鉱物名」などとは言わないでしょう。 言えるわけがない。 ルチルを内包していれば「ルチル入り水晶」ですが、 「ルチル入り水晶」は「鉱物名」ではあり得ない。 鉱物名ではないものを使うのがおかしいというならば、 「ムーンストーン」という「鉱物名」は存在しない。 ムーンストーンは数種類の長石にまたがって使われる「宝石名」だからです。 鉱物名を化学組成や結晶系に従って厳密に適用するなら、 「SiO2」というラベル上の化学組成も結晶系も同じである シトリンとアメジストは紛れもなく同一の鉱物で、 シトリン、アメジストと呼ぶのはおかしい、 クォーツであると言うことになってしまうのです。 そもそも、純然たるヒーリング分野のネーミングであるスーパーセブンに対して、 まったく分野違いの理由を振りかざし、「存在しない」と断じることは、 的はずれであるといわざるを得ません。 (つづく) 2007/09/29
IMAGE2007二日目。
行ってきました。結果はお聞きくださいますな。 石イベントには魔物がいる。 魔物に対抗するには強い意志が必要で、 私には石はあれど、意志は持ち合わせていないようです。 昨日は昨日、今日は今日。会場いっぱいの石にほくほくしながら 会場を巡回していると、このイベントには出店されておられないのですが、 メタ・クォーツのことを教えていただいた石屋さんに遭遇。 その方が、ジラソル玉を探していたので、一緒に探しつつ、 メタ・クォーツであるジラソルのことで話に花が咲きました。 この石屋さんがジラソルを探していた原因の一端は、私にあります。 ジラソルにスターが出るものがあると聞いたが、 見たことがないとおっしゃっていたので、 前日、メタ・クォーツのことをお聞きしたときに、 我が家のスター付きジラソルをいくつかお見せしたのです。 そのうちの一つがこの石。 ミルキーな感じの半透明で、マダガスカル産。 イエローのジラソルだと言われました。 そして、ご覧の通り、うまく光を当てると、やたらに立派なスターが出まくります。 ところで、昨日、スター・ローズクォーツなど、 スターが出る水晶の仕組みを、以下のように説明しました。 ルチルなどの微細な結晶が、六角形の結晶軸に沿って整然とならぶことで、 それに光が反射して、6条(*)のスターが出るのだと。 スターの6本の光の筋は、六角形の結晶の角を結ぶラインのようなものなのです。 そのため、スターローズクォーツなどでは、スターが出る位置はだいたい決まっていて、 その場所と、ちょうど反対側にもスターが出ます。 結晶の軸に剃って規則正しくならんだ、顕微鏡サイズのルチルの結晶がキモなので、 たとえば、図の結晶の柱面にあたる方向から光を当ててもスターは出ません。 しかし……写真のイエロー・ジラソルは、 どの方向から光を当ててもスターが出ます。 通常のスターの仕組みからすると、考えられないことなのだそうです。 いったいなぜなのか、同じような石がブラジルにもあるのかを確かめるために ジラソルを探しておられたのです。 このようなスターは、丸玉か丸玉に近い形でなければ確認しにくいので、 確かなことは言えないですが、ジラソルであればどのようなものでも このようなスターが出るかと言えば、そうではありません。 私が写真の石を買ったとき、一緒にならんでいた丸玉でも、 スターが出にくいものがありましたし、 先日のジラソルは、丸に近い形ですがまったくスターが出ません。 ローズクォーツで、丸みのあるタンブルであればスターが確認できることを考えると、完全な丸玉ではないからスターが見えないのではなくて、 もともとスターが出ないのだと思われます。 いったいこのスターは何だ。 石屋さんのお話では、細かいルチルの結晶が、 通常のスターの場合のように規則正しく内包されているのではなく、 不規則に、縦横無尽に内包されている性ではないかとのことでした。 しかし、それならばそれで、どうしてきれいなスターになるのか、 ローズクォーツのピンクの原因がルチルの微細な結晶のためだと言われているのに、 ピンク色でないのはなぜなのかという不思議が残ります。 (このこともあって、ローズクォーツの色の原因は、 ルチルの微細結晶ではないか、他の要因が関わっているのではないかという 説もあります) さらに、これはおもしろいと思ったのが「ジラソル」の名前の由来。 先日も行ったようにジラソルとはスペイン語で「ひまわり」。 コメントでも教えていただいたように 「ジラ」が回る、「ソル(ソール)」が太陽という意味なのです。 ところが、誰がジラソルと呼び始め、 たいていは半透明白のゼリーを思わせるあの石が、 いったいどうしてジラソルなのか、 誰に聞いてもはっきりしないのだそうです。 わからないながらに、ここに一つの仮説があります。 写真のように、光を当てて浮かび上がるスターが「太陽」であり、 どの方向から光を当ててもスター(太陽)が出る、 つまり「光につれて太陽が動く」……「太陽が回る」。 それがジラソルではないのかと言うのです。 なるほど。 仮説とは言え、おもしろいです。 なぜスペイン語なのかという謎は残りますが、 この説では「ミルキー・クォーツ」と「ジラソル」の違いがはっきりします。 通常は「マダガスカル産の塊状ミルキー・クォーツがジラソル」という認識が多いです。 もうちょっと厳しく言うと、「ふわっと輝くようなもの(オパレッセンス)」や 「光を当てると、ムーンストーンの輝きの淡いような光が浮かぶもの」 という人もいます。 しかし、この新しい説に従えば、なぜジラソルという名前なのかという理由が納得できる上、 「どこから光を当ててもスターが出る石」という明確な基準があります。 すると、昨日のジラソルは、ジラソルではないということになりますが、 ミルキー・クォーツと改めて名前が付けられるということは、 普通とは違う、何か際だった特徴があるからこそだと思うので、 マダガスカル産のミルキー・クォーツであれば、どれでもジラソルというのではなくて、 その中の「こういうものがジラソル」と、名前が示す範囲が狭まることは、 ある意味理にかなっていると思います。 2007/09/28
さて、財布の中身を魔物に喰われた石イベントでしたが、 情報という、目に見えない収穫もあります。 イベント会場は、石好き仲間との、おしゃべり&情報交換&石見せ会場でもあるので、 石を買いに行くというのに、石をたくさん持って出かけます。 ですから、イベント初日のKUROを捕まえると、写真のモデルになった石をご覧いただけます(笑)。 (2日目からは身軽なことが多いです) さて、今回の石見せ会では、ふと思いついて、 先日紹介したアフガニスタン産の塊状ローズクォーツを持っていき、 「メタモやジラソルは強くてきつい」という話をしてくださった 石好きさんに、何を言わずに握っていただきました。 その結果は、予想通り。 「ふつうのローズクォーツと違う。きつい感じがする」 この結果によって、”メタ”クォーツの話を聞いて以来、 漠然と考えてきたことに、一つの筋道が見えてきたように思います。 メタモやジラソル、そしておそらく”メタ”であろうと思われる アフガニスタン産塊状ローズが、 「塊状」「オパレッセンス」「見かけによらず、強くてきつい」という 共通点を持つということは、 ”メタ”、つまり地中で圧力や熱による変成作用を受けていることに 何らかの関係があるのではないか。 ローズクォーツだから、スモーキー・クォーツだから、 カテドラルだから……という、色や、形だけでなくて、 石が形成され、掘り出されるまでに経てきた環境も、 石のパワーといわれるものに何らかの影響を及ぼすのではないか。 物理的な要素がそのまま石のパワーにつながるとは思えませんが、 今まで”メタ”であることがほとんど問題にされなかった メタモやジラソルが似た傾向を持ち、 似ているという側面から逆に石が成長した環境をさかのぼると、 やはりそこにも共通点らしきものがある……というのは、大変興味深いです。 で、さらに考えました。 「塊状」で「見かけによらずハイパワー」。 残念ながら、オパレッセンスを示すとは思えませんが、 アゼツライトも、(見かけ上)ある程度は ”メタ”クォーツと似た傾向を持っています。 アゼツライトは、鉱物学上は普通の石英である、 それを、イメージ的な効能書きを付けて法外な高値で売るのはいかがなものか……と ところによっては物議を醸しています。 私も、アゼツは石英であると思います。 しかし、アゼツライトがただの石英だからといって、 それが何だというのでしょう。 ヒマラヤ水晶も、レムリアンシードも、ロシアンレムリアンも、 そのほかいろいろパワーがあるといわれる水晶たちも、 すべて「ただの水晶」でもあるのです。 分析すれば、二酸化珪素、SiO2かもしれない。 パワーを別にしたら白濁した石英かもしれない。 でも、アゼツなんて普通の(あるいは質の低い)石英じゃないかという人がいる一方で、 アゼツには何らかのパワーがある、と言う人も多くいらっしゃるわけです。 ネーミングと効能書きと、お店の雰囲気による思いこみだとしても、 イメージの側面からは、アゼツライトという石には、 そこまで思いこませる何かがあるとも言えるわけです。 ちょっと話がずれました。 アゼツは、「塊状」で、「見かけによらずハイパワー」な石。 少なくとも、初期に見かけたノースカロライナやバーモント産のアゼツはそうでした。 たいていは白濁した半透明で、量は少ないものの、 ピンクバージョンがあるところも似ています。 今では、透明なものやら、結晶形のもの、ゴールデンオーラやゴールデンヒーラーの名前がくっついたもの、 はたまたアゼツではないとか何とか言われているインドのサチャロカ産までありますが……。 あくまでも推測ですが、 初期の、お世辞にもきれいとは言えなかった、 「白濁してひびだらけの石英のかけら」状のアゼツは、 もしかして”メタ”クォーツの一種だったのではないでしょうか。 一方で、結晶形のアゼツは”メタ”クォーツだとは思えません。 結晶形であるということは、最後まで周りに空間が残っていたということ。 その状態では”メタ”……つまり圧力などが加わるとは思えません。 アゼツは、ノースカロライナやバーモント産であるといわれますが、 州のどの位置、どの産地、あるいはどの山脈、鉱山という、 詳しい産地情報は出てきていないように思います。 仮に一カ所からの産出だったとしても、 地中で”メタ”クォーツが作られたあとに、新たに水晶が結晶し、 同じ産地から”メタ”クォーツとそうでない水晶(石英)が 両方産出することもあり得ます。 (あくまでもイメージ上の想像ですが) 普通の水晶(石英)にプラスして、熱や圧力という 「地球(大地)の力」が加わった”メタ”クォーツには、 普通の水晶よりも強い、あるいは違うパワーがあって、 初期のアゼツには、”メタ”なものが混じっていて、 それを手にした人が、何らかの「普通の水晶にはないパワー」を感じ、 それによっらハイパワーないしアゼツというイメージが作られたのだとしたら。 それはそれで納得できるし、とても興味深い。 ただし、今現在流通しているアゼツのすべて、 辛口に言ってしまうと、ロバート・シモンズ氏のヘブン&アース社が扱っている アゼツのすべてが”メタ”だとは思えません。 産出量が限られていたと言いながらつぎつぎに販売され、 白濁した石英状だと思っていたら結晶形が、ゴールデンヒーラータイプが、 ゴールデンオーラタイプが……と、新しいタイプが出てくるようすは、 個人的に納得できかねます。 本当は、自分でパワーやバイブレーションとやらが感じられれば、 もっとおもしろいんですが、 世の石のパワー(バイブレーション)がおわかりの皆さんにお尋ねしたい。 ジラソル、メタモ、アゼツ……これらにはどんな違いと共通点があると 感じておられるでしょうか。 ご意見お待ちしております。
「石好きの石イベント行き」
これをKURO的に翻訳すると「飛んで火に入る夏の虫」。 はい、撃沈してきました。 石好きが石イベントに出かけていって、「見てるだけ〜」で帰ってこられるか。 否。 それは無理。 それをふまえた上で「撃沈」というのは、 最初、「多分こんなもの(予算)だろう」と予想して出かけたら、 予想以上に目うつりして、心ぐらぐらなものがあって、 なぜ、財布の中身は有限なんだ〜!!!!と、内心叫ぶ事態になるからです。 しかしですね、今回のイベントはアート&ジェムショー。 ミネラルではなくてアクセサリー主体のショー(のはず)なのです。 会場全体を見渡すと、6月のショーに比べて明らかに原石率は低いです。 低いはずです。 なのに、なぜ原石ばかり買って、財布の限界で指をくわえる羽目になるのか。 これぞ、ショーの魔物の仕業に違いありません。 ミネラルショーの魔物の魔力に魅入られた、哀れな石好きの私は、 毎度毎度「これくらい(予算)?」と予想して出かけては、 自分の「希望的観測」を木っ端みじんに打ち砕かれて帰ってくることになるのです。 さて、今回のIMAGE2007。 昨年に比べると、やや店の顔ぶれに変化があったようです。 見かけたはずの店がいなくて、はじめて見た店があります。 間をおかずに京都ショーがあるので、そちらに参加することにしたお店もあるのでしょう。 最初に言ったとおり、今回のショーは、建前上はアクセサリーやビーズが中心。 しかしながら、原石もちゃんと売られております。 そして、常日頃から「お店の隅探し」が基本の私としては、 原石の店が少ないことは、あまり気になりませんでした。 ぐるりと見渡し、会場をぐるぐる何周も歩き、お店の隅をつつくことほぼ一日。 アクセサリーはほとんど気にとめていなかったのでパス。 ビーズは、シャーマナイトやレムリアンシードのビーズが売られていました。 中には、「明らかすぎる染めのブルー・アラゴナイト」もありましたっけ。 原石では、まず、例によってアフガニスタン・パキスタンものにはまりました。 なんたってあわ〜い桜色のフローライトのクラスター! スイスのピンク・フローライトには色の面では叶いませんが、 きれいな八面体の結晶が、雲母の母岩の上に いくつもころころしているかわいいものをゲット。 黒く見えるクローライトが入った細身の水晶は、 掌で転がすと、まさしく澄んだ金属音がする「シンギング・クォーツ」。 買ったお店以外にもアフガン&パキものの店がいくつかあり、 いずれもよく見るとなかなかいいものを置いています。 ヒマラヤ水晶を置いているお店では、 一目でクラッときた、すばらしい石があったのですが、 大きい上に、自らの「財布の限界」を思い知らされるお値段に撃退されました。 ヒマラヤ水晶(ネパール)は、数を置いている店が2つほど、 それ以外も含めると4〜5店あったように思います。 おもしろかったのは、昨年変な石があったとか、、 量り売りで、よってたかって探しまくったお店が、 今年はまったく元気がなかったこと。 よって、アフガン&パキ以外は、別のお店ばかりで買いました。 そして、今回の意外。 一見インド屋さんっぽい店なのに、覗いてみると、奥にはなんとロシア水晶。 しかもダルネゴルスク。 信じられないことに量り売り。 いかにもダルネなへんてこ水晶が一つ2000円台とはこれいかに。 「どうしてこんなところに、こんなものが」 「よく見ると、これってすごい〜」 ……と言うぐあいに、お店の隅、石のピンポイントの魅力を見ていくと、 知らない間にミネラルショーの魔物の餌食になってしまうのです。 ご注意あれ。 2007/09/27
中秋の名月、満月のタイミングを逃しましたが、この石。 マダガスカル産のジラソルです。 ぷるぷるっとしたゼリーを思わせる半透明の色合い、 ふんわり光がにじむようなやさしい輝き。 なんだか月っぽい石……? いやいやいや。 ジラソルという名前の語源を検索すると、 たいてい「オパールの輝きを持つという意味」であると書かれています。 もう一つ見つけたのは、マダガスカルの言葉で「水平線から昇る太陽」という説も。 マダガスカル語なんてわかりませんが、とりあえず「太陽」説に一票。 なぜなら「girasol」はスペイン語で「ひまわり」の意味だからです。 マダガスカルの公用語は、マダガスカル語とフランス語なので、 そこにスペイン語がどう関わるかという点が疑問ですが、 太陽つながりで、一票入れてみましょう。 さらに個人的な理由があります。 知り合いの石仲間さんから「ジラソルは見かけによらず、きつくて強い石」と いう話を聞いたことがあります。 他にも「きつくて強い」といわれた石にメタモルフォーゼスがありますが、 メタモといえば、石英が変成作用を受けた 「メタ・クォーツ」であるという話を聞いたばかり。 変成作用を受けた(メタ)であるために、アルミナをコロイド状に含み、 それによって光が錯乱を起こし、 オパレッセンス(ふわっとにじむような光の効果)を示しているのがメタモ。 塊状で産出し、半透明で、オパレッセンスを示し、見かけによらずきつくて強い。 メタモの特徴は、そのままジラソルにも通じるものがあります。 そしてジラソルも、メタ・クォーツだそうなので、ますます似ています。 おそらく、かたやブラジル、かたやマダガスカルなので、 似ているといっても、アルミナの含有具合や、変成の具合なども違っているでしょうが……。 このように、名前と、(私にはわからないけれど)パワーの話と、 メタ・クォーツであることを総合すると、 私にとってのジラソルは、けっこうパワフルなイメージです。 さて、私は、これまでジラソルが水晶、厳密には石英であることに 何の疑いも持っていませんでした。 ところが…… 別館サイトのツッコミでも声を大にして叫びましたが、 ジュディ・ホール著の「クリスタル&癒しの石」では、 ジラソルが「オパール」の項に入れられております。 おいおいおいおいおい……! ……と目を疑っていたら、また別のところで メロディ氏が「ジラソルはブルー・オパールに属す石」と言っているという話を発見。 日本のショップサイトでも、「ジラソルは遊色を示さないゼリー・オパール」と 言っているところが……。 きっぱり言います。 ジラソルは水晶(石英)です。 理由の一つは重さと硬さ。 オパールを実際に持ってみるとわかりますが、 同じ大きさで比べたら、水晶(石英)の方が重いです。 手触りも硬い。オパールの方は、ややプラスチックっぽく感じます。 もう一つの理由はスター。 メタモやジラソルにはスターが出るものがあります。 スターといえば別名をアステリズムとも言う、「*」のような6条の光のこと。 これは、塊状で結晶の形が定かなくても、ジラソルやメタモが結晶している証。 スターは、結晶の軸にそってルチルなどの細かな結晶が 規則正しくならんで内包されることで現れるもの。 (ジラソルのスターを作るのが何かは不明) おおざっぱに図示すれば下図のようになります。 つまり、スターはぎっしり結晶することで見えなくなってしまった 結晶の形を物語っているわけです。 スターローズクォーツの丸玉をお持ちの方は、 ぜひスターの出る位置を確認してみてください。 一つのスターが見つかれば、その反対側にもスターが出るはずです。 スターが出るからには、メタモやジラソルは結晶している。 厳密には結晶していないオパールではあり得ません。 (オパールは、二酸化珪素のミクロな丸い粒が 規則正しくならんでいる構造を持ちます) スターの話を持ち出すまでもなく、重さや手触りなどで 簡単にわかりそうなものなのに、なぜ、オパールという話が出てくるか。 最初は、ジラソルのふんわり柔らかな光具合が 「オパレッセンス」と表現されることによるものかと思っていました。 オパレッセンスは、「乳白光の」という意味で、 オパールのに地色を現す「遊色(プレイ・オブ・カラー)」とは別です。 オパレッセンスを誤解してオパールなのか……と思っていたら、 ジラソルが別の名前で呼ばれているのを見つけました。 一つは、ムーン・クォーツ。 もう一つがブルーオパール・クォーツです。 二つ目のブルーオパール・クォーツが非常にあやしい。 クォーツとついているからには水晶(石英)であることは明らかなはずですが、 頭の「オパール」に気を取られると、オパールの仲間だと言われかねません。 なぜ、ジラソルがブルーオパールの名前を持つかと言えば、 クリアに近い透明度のジラソルの中には、 光を当てると青白い光を浮かべるものがあります。 この輝きに注目して、ブルーオパールの名前が付いたようです。 オパレッセンス(ふわっとした輝き)の青いもの、ということでしょうか。 青白い光を浮かべるものは、ジラソルの中でも透明度が高い一部のものだけです。 乳白色で不透明度が増すと、青くはなく ムーンストーンのシラーをもっと淡くしたような白い光になります。 ここでもう一度。ジラソルは水晶(石英)です。 時に「ブルーオパール」の名前がくっつきますが、石英です。 オパールが混ざっているわけではありません。 水晶がオパール化したわけでもありません。 内部にアルミナなどのミクロな内包物をたくさん含むために、 光が拡散され、ふわりとにじむような光を放つ、 みずみずしくも(たぶん)パワフルな石英(メタ・クォーツ)なのです。 2007/09/26
インド産のも、ストロベリー・クォーツと言っちゃっていいかな ……と、個人的規制緩和する原因になったのがこの石。 ルースです。 ご覧の通り、細くて赤いゲーサイトがたっぷり。 マダガスカル産やブラジル産のレピドクロサイト入りを ストロベリーというのなら、こちらの方がよっぽど苺。 赤いし、レピドクロサイトに比べたら、かなり繊細な内包物です。 しかし、昨日のカザフスタン産に比べると、 ルースとしては大きく、拡大率も低いのにこれだけ太く見えると言うことは、 比べてみると同じゲーサイトの内包物でも、インド産の方が太くてごつい。 見比べると赤黒い感じがします。 苺は苺でもゴツめの逞しい苺。 残念ながら、この手の石の原石をまだ見ていないので、 インド産ストロベリー! と喜ぶことはできません。 カザフスタン産のストロベリーは、原石の状態でもかわいい苺ちゃんですが、 多分、インド産のは原石の状態では塊状か、 ごつごつした「エレスチャル」状なのではないかと想像しています。 ですから、インド産であればなんでも、というのではなく、 石のひとつひとつ、ルースの一個一個を見て、 この色合い、この繊細さならばストロベリー・クォーツと言っていいんじゃない? ……と個別苺認定しなければならないでしょう。 お店の付けたラベルは、第一の参考資料であり、手がかりではありますが、 こと、イメージ的に付けられた名前の場合は、 時には、店でストロベリー・クォーツと言っていても、 「個人的にはこれはストロベリーではない」と言うことが あってもいいのではないかと思います。 石の特徴を知り、その名前の由来を考え、 目の前の石をじっと見て、自分の基準に照らして考え、判断する。 自分勝手といわれようが、「自分ならば」という自分基準で石と向き合う。 そういう石とのつきあい方もあるのではないでしょうか。 2007/09/25
昨日に続いてストロベリー・クォーツ。 今度はルース。 産地は同じカザフスタン。 ストロベリー・クォーツが透明な水晶にゲーサイトが内包されることによって 赤く色づいていることがよくわかります。 ルースの長さは15ミリほど。 それをこれだけ大きくアップにして、 なおかつゲーサイトがこれだけ細かく見えているということは、 実際のようすがいかほどか、想像がつくでしょう。 この繊細さが、愛らしいとしか言いようがないあの色合いを生み出し、 「ストロベリー」の名前が付けられだのだと思うのです。 このかわらしくスイートな感じを見てしまうと、 レピドクロサイト入りはゴツい! やはり、苺ちゃんは、かわいらしくなければ。 さて、今回のルース、昨日の原石ストロベリーがなかなか手に入らなくて、 待ちきれずに買ってしまったもの。 もう一度写真をよくご覧ください。 ルースの先端から真ん中あたりにかけて、 筋状にやや色が濃い部分があるのが見えるでしょうか。 また、ルースの下部、丸い方は透明になっています。 筋状に濃く見えるのは、原石の時のエッジ(面と面と合わせ目の角)の部分。 つまり、この石は透明な上にゲーサイトの層が被さった、 ファントム状のストロベリー・クォーツなのです。 磨いてあっても、原石の時の表情を残しているのが、 さらにかわいい。 メキシコ産のストロベリー・クォーツにも出会ってみたいものです。 2007/09/24
カザフスタン産のストロベリー・クォーツです。 私にとってストロベリー・クォーツといえばこれ。 あるいは、メキシコ産の、ゲーサイトの内包で愛らしい赤に染まった水晶のこと。 最近は、インド産でもいい線を行っている水晶が出てきたようで、 ものによっては「ストロベリー」に入れてもいいかな、と、ちょっと規制緩和中。 ストロベリー・クォーツのそっくりさん(個人的には似ていないと思う)として、 時折ストロベリー・クォーツの名前で売られていたりする チェリー・クォーツという名前のガラスビーズは論外としても、 「ストロベリー・クォーツ」という名前で売られている水晶の多くに、 個人的には大いに不満です。 「これこれこういうものがストロベリー・クォーツである」という しっかりした規定は存在しないので、 鉄などで、苺のように愛らしい赤に色づいた水晶ならば、 ストロベリー・クォーツと呼ばれても鹿田がないとは思います。 私も、今回の写真のような カザフスタン産(あるいはメキシコ産)の水晶以外は ストロベリー・クォーツではない! ……とはいいません。 しかし、やはり有名なのはこの水晶であり、 これを知らずして「ストロベリー・クォーツとはこういうもの」と 思いこんでしまうのは、あまりに切ない。 昨今、このようなレピドクロサイトを含んだ水晶がストロベリークォーツと 呼ばれていたりします。 ゲーサイトとレピドクロサイトはよく似ていて、 厳密には見た目だけでは区別できないそうですが、 こういうタイプの内包では、見た目がごつく、色合いも赤よりも茶色に傾きます。 あるいは 時にレッドアベンチュリン、あるいはマスコバイトとも呼ばれていて、 いったい何の石かわからないこの石がチェリー・クォーツと呼ばれていたりします。 (個人的には水晶ではないと思いますが……) これらの石は、ビーズとして見かける機会が多いだけに、 ブレスレットなど、ビーズで石に接する人は、 ストロベリークォーツといえばこういう石、と思ってしまわないでしょうか。 カザフスタン産ストロベリー・クォーツも 最近は、ビーズでやや見かけるようになりましたが、 やはり全体としては少ないです。 繊細なゲーサイトの内包によって、半透明の赤に色づいた、 小ぶりで愛らしい「苺」な水晶。 写真の石は、ストロベリ・クォーツとしては色が薄い方です。 本当に綺麗なものは、まさしく苺の赤なのです。 あんなこんな、ストロベリークォーツがあっても仕方がないけれど、 この”苺ちゃん”をお忘れなく! こんなかわいい水晶が、地面の中から出てきたその現場を、 一度見てみたいものです。 2007/09/23
別館サイトに検索からいらっしゃる中に、「モス・クォーツ」を探してこられる方がちょくちょくいらっしゃいます。
別館サイトでは、用語集の中の「この石って何?」のところに、 セサミ・ジャスパー(本当は花崗岩の一種)の別名として紹介しています。 しかし、ふと気がつきました。これだけでは、誤解を招くんじゃないか。 というのも、もう一つのモス・クォーツは、 あまりにも当たり前で説明するまでもないと説明をしてなかったので、 それでは、モス・クォーツとは、 セサミ・ジャスパー(花崗岩)=モス・クォーツと勘違いされてしまう危険がある。 説明するまでもないとたかをくくっていた「モス・クォーツ」とは、 緑泥入り水晶のこと。 鉱物の分野でも「苔入り水晶」と呼ばれます。 モス(moss)すなわち苔です。 検索してみると、いわゆるガーデン・クォーツも モスクォーツとしてヒットしてきます。 なかには、モス・アゲートもあります。 アゲートも大きく見れば二酸化珪素、すなわち石英の仲間ですけれど、 アゲートをクォーツといってしまうのは、混乱の元のような気もします。 緑泥入り水晶はいろいろあれど、「苔」というのですから、 緑泥がぱらぱらとまばらに入っている程度では「苔」とは言えないでしょう。 ガーデンクォーツで、白いタイプのものも個人的には「苔」とは言いにくい。 やはり、もこもこ緑で「苔」っぽいものが、 そのものずばりでモス・クォーツでしょう。 ……というわけで、モス。 パキスタンはスカルドゥ・ロード産のクローライト入り水晶。 ネパールで見かけるクローライトよりは色が淡い感じですが、 もこもこびっしり内補されているようすは、まさにモス。 やや細めのDT(両錐)の結晶が、アクロバティックにくっついているようすは、 ネパール産の「かきあげ水晶」にも通じるものがあります。 似てるんですよねえ……ネパール産とパキスタン(北部)産。 これと同じような水晶の、もっと大きなクラスターの写真を見たことがありますが、 モスを内包し、先端が透明な結晶が群れているようすが、 なかなか美しく、いつか実物を見たいものだと思っています。 月末のIMAGE展にないかなあ……。 │<< 前のページへ │一覧 │ 一番上に戻る │ |