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産業界へ、教育現場の声をお届けします

[2007年10月号]

By 馬本 隆綱 EDN Japan編集長
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 今号から新しいコラムを設けました。コラム名は「Incubator&Innovator」です。次の世代につながる革新的な基盤技術の研究や人材の育成などに尽力されている大学の先生方に登場していただき、日本のエレクトロニクス産業、特に半導体産業が目指すべき方向性や、業界が抱える課題、人材育成に対する熱き思いなどを語ってもらいたいと考えています。

 今号では、「アナログ/デジタル混載LSI設計」の第一人者であり、東京工業大学の教授を務められる松澤昭氏に、産学連携やエンジニアを目指している学生へのアドバイスについて語っていただきました(「研究の必要性と面白さを知る、そして楽しむ」を参照)。

 松澤氏の話の中で、とても気になる発言がありました。現在、学生の間で工学部を志望する人が減少しており、中でも電気/電子分野の人気は最下位だそうです。その理由はいくつか考えられますが、1つは、事業再編による不安定な雇用や、安全/品質に関する問題で起きた製品の回収などが大企業を中心に取りざたされたことがあるでしょう。松澤氏は、「集積回路では微細化技術が進展した結果、肉眼で電子回路を確認できなくなってきた。そのために、学生も集積回路に対する興味が薄らいできたのではないか」ともう1つの理由を指摘されました。

 逆に、「人間の健康や環境問題など、現在最も高い関心を集めている事柄と、それを支えるエレクトロニクス/半導体技術との関連性をもっとアピールできれば、若い人たちにも電気/電子技術が社会に貢献していることを認知してもらえ、人気も高まるのではないか」(松澤氏)とのことでした。

 先般、電子機器や部品モジュールを設計している企業のエンジニアの方々に直接お会いする機会がありました。そこで、半導体/電子回路設計のエンジニアになった理由/動機を伺いました。最も多かった回答は、「子供のときに経験した、ラジオやテレビの組み立て/修理を父親と一緒に行ったときの感動」でした。

 松澤氏は「『必要だから』始めた研究が、『面白くなる』ことがある。いかに研究を楽しめるかが重要」と語っておられました。

 本誌も、電気/電子工学の学生や若いエンジニアに興味や感動を与えられる専門雑誌を目指したいと思います。

(馬本 隆綱 t.mamoto@reedbusiness.jp

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