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2007年8月21日 (火)

植草氏第11回公判、傍聴記(8月21日)

(※ この記事はA氏本人の要望により更新されています)

 検証する会A氏による第11回公判傍聴記

 8月21日、植草事件の最終弁論が行われた。傍聴希望者は177名で24名が傍聴を許された。今回はプロジェクターを使いパワーポイントの画面で人の動きも動画を駆使して分かりやすく説明が行われた。
 最初は、被害者が痴漢犯人を植草被告と間違えたに違いないという主張であった。その次が、7月4日に行われた弁護側目撃者の証言に関するものであった。一部報道では、犯行時間にこの目撃証人がウトウトしていて、痴漢を目撃していなかったのではないかとされていたが、これは誤報である。その可能性は検察側も指摘しておらず、被害者の証言どおり犯行時間は電車が品川駅を出発直後から2分間であることは変更の余地はなく、争点になっていない。
 目撃証人はこの2分間は植草氏が痴漢行為をしていなかったことをはっきり目撃したと述べた。

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 目撃証人が電車に乗り込もうとしていたときにはすでに、植草氏は電車内にいた。つり革につかまっていてうつむいたような姿勢であった。くたびれたサラリーマン風の格好でだらしなく見えた。植草氏の周りをぐるりと回るように歩いて、間近に植草氏の顔を見た。そのときはどこかで見たような顔だと思った。座席の前に立ったら、丁度前の座席の人が急いで降りたので、座ることができた。誰だろうと考えているうちに、彼が植草氏であることに気付いた。

 弁護人は目撃証人の証言が信用できるものであるという7つの論拠を示した。

証言に至った経緯は極めて自然である。彼は事件の目撃の後、植草氏が痴漢犯人にされていることをニュースで聞いて驚いた。事件を目撃して、これは車内暴力事件であると思っていた。車内で植草氏が2人の男A,Bに逮捕された。Aは、静かだった。Bはわめきちらしており、野次馬風だった。女はいずれかの連れに見えた。

 関わりになりたくないという気持ちや、植草氏に対するマスコミの報道ぶりを見て、名乗り出る決心がなかなかつかなかった。それに自分が名乗り出なくても誰かが証言するだろうという気持ちもあった。しかし、植草氏が保釈が認められ出てくる所をテレビで見て、何とかしなければと思った。弁護士と話す機会があり、相談したら植草氏の弁護人にコンタクトを取るよう勧められた。まず弁護士協会で調べたが、植草氏の弁護人の名前は分からなかった。その弁護士は後で調べて連絡すると言ってくれたが、連絡は無かった。植草氏の事務所にFAXを入れた。それは古いFAX番号で使われていなかった。新しいFAX番号を調べFAXを送った。そのFAXを植草氏が弁護人に送った。

 このような経過を考えるとマスコミのプレッシャーもあり、通知が遅れたのも不自然ではない。

証人は事件に関する予備知識が無かった。弁護人に言われ植草氏は証人と話しておらず、ろくにあいさつすらしていない。植草氏の弁護人からも、被告・原告の証言等裁判の経緯を知らされておらず、自分の知っていることをありのまま話した。何を話せば植草氏に有利になるのかさえも知らないで証言台に立った。(これは検察に4回も足を運び、蒲田警察署にも6~7時間もいたという検察側証人のT氏とは対照的である)

証人の証言は詳細かつ具体的で、著名人である植草氏を近接した距離で確認している。セルロイドの特徴のあるメガネについても注意深く見ている。酒を飲んでだらしない格好をしていたとも言っており当時の状況を正確に捉えている。

証人は被害者の声を聞いていないが、被害者は少し大きめの声で「子どもがいる前で・・・」などと植草氏のほうを向いて、つまり証人に背を向けて、話しているだけである。それは青物横丁駅から大森海岸駅の間だったと思われ、証人がウトウトしていた頃だから、聞こえなかったとしても不自然ではない。

証人は、「右側は植草さんが立っている辺り、それから左側は斜め前の男の人がいるような雰囲気で、あとは特に注意して見なかった」と供述した。人の陰で被害者は視界に入らなかったのではないかと思う)

 それは下図のような周りの人の位置関係を考えれば理解できる。

 弁護側目撃証人が証言した車内の様子は図1で示す。これは弁護側証人が、証言台で裁判官の前で手書きで描いたものがスクリーンにそのまま映し出され、それを筆者が書き写したものである。これにより事件発生当時の車内の様子が初めて公開された。(この図は今初めて本ブログによって公開される)

  図1 弁護側証人の見た被告人位置およびその他の乗客

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 弁護側証人によると自分の前には、人がいなかった。逮捕者Kは自分の右前にいた(図1で植草氏の下に描いた人)とのこと。この証言を基に描いたのが図1。これは「犯行時間中」の様子を最も正確に再現したものと思われる。なぜなら、弁護人証人には嘘を言う必要性が全くないからである。わざわざこのような証言に来ても彼には何のメリットもないし、逆にマスコミからの大きなプレッシャーがかけられているというマイナスの条件下にあった。

  図2 逮捕者K証言に基づくK証人の位置を書き加えた位置

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 ところがK証人は、端から2番目の前に立っていたと証言している。ということは、弁護側証人の前ということになる。検察側は、K証人が邪魔して弁護側証人が植草氏を見ることができなかったはずだと主張した。このケースを図2で示したが、やはりこの場合でも彼は植草氏を見ることができる。

 そもそも逮捕者K氏の証言は本当に信用できるのだろうか。彼は、植草氏を車内で一人で捕まえたと言うが、弁護側証人は植草氏は車内で2人によって捕まえられたと言っている。K氏の証言では、もう一人の逮捕者は、駅のホームに出てから乗客の一人が協力してくれたと言っている。さらにおかしいのは、駅ホームに出て暫くしてから周りの人に駅員を呼んでもらい、駅員と共に駅事務室に連れて行ったと言っているが、もしそうなら、駅事務室に着くまでかなり時間が掛かったと思う。警察と駅の記録では、電車が駅に到着してから、駅事務室に着くまで2分10秒以下だったとされている。要するにK証人は事件発生現場にいなかった人だから、当時の事件状況がまるで分からず、このような出鱈目なストーリーを作り上げてしまったということではないのか。

 検察側の証人T氏によれば、逮捕者K氏は私服であったと言っている。(第二回公判速記録参照のこと) もし私服警官がこのように近くで待機していたのであれば、この事件そのものがでっち上げの疑いが大きくなり、その発覚を恐れた検察が、替え玉に証言させたのではないかという疑念が出てくる。K氏の証言に、現場にいた人であれば絶対に間違えないような根本的な間違いが含まれていることを考えれば、K氏は替え玉である可能性が濃厚になる。

 弁護側証人は、被害者女性は2人の逮捕者の連れのようだった、逮捕者の一人はごつい感じだったと言っている。この証言を素直に解釈すれば、逮捕者と謎の女性(被害者とは言っていない)は仲間内である可能性を髣髴とさせるものである。そもそも弁護側証人には植草氏が事件に関わったという認識はまるでない。従って彼の中では被害女性は存在しない。しかし、逮捕者の連れのように見えた女性は実際にいたと証言している。

時間の経過に関する証言内容が、具体的な駅名を基準とするものであったり、車窓の風景や駅の看板で特定されており、信用性が高い。他の証人の供述では、漠然として時間を言っているだけだから、それと比べて信用性が高いと言える。

位置関係に関する証言も進行方向の左側のドアの2人目の座席に座っていたというものであり、極めて正確な位置、向いていた方向の指定ができており、信用性が高い。



追加
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 T証人供述(第二回公判に出た検察側の証人)の信用性について

 メガネについて覚えていない。しかし、植草氏は印象に残るメガネをしていた。《ここでメガネをした顔としない顔の比較がスクリーンに映し出された》しかも、彼はうつろな目をしていたと言っているのだから、目ははっきり見ているわけである。ということは、彼が見た人物は植草氏ではない。植草氏は重いカバンを肩に掛けていた。T氏によると、植草氏の重心が右に傾いていたと言った。右肩ははっきり見えたと言っているのに、カバンは見ていない。やはり別な人を見ていたに違いない。また、重心が右に傾いていたのであれば、右肩に掛けていたカバンは肩から落ちるはず。《この様子もスクリーンに映し出された》

 T氏は犯人の指先も、手の甲も、袖口までも確認している。植草氏は左手に傘を持っていたのだから、もし、女性を触っていたのなら手首に掛けていたに違いない。しかし、彼は傘に気付いていない。実際、傘を手首に掛けていたのなら、傘がはっきりと見えるはずだから、やはり別人を見ていたとしか考えられない。《手首にかけた傘の図がスクリーンに示された》

 T氏は、植草氏が事件当日よりやせたのに気付いていない。実際は66~67kgから、58kgにまで痩せてしまっていた。本当に植草氏を見ていたのなら痩せたことに気付くはずであり、気付かなかったということは、別人を見ていたことになる。

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尚、次回公判は10月16日、午前10時から開廷。判決が言い渡される予定である。今、神坂裁判長以下、裁判官の公正な裁定判断が強く注視されている


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今日開かれました。まだ主だったブログで情報が書かれてないので、詳細は今のとこわかりませんが、一般の大手メディアでは相変わらず政府意向に添った悪意に満ちた嘘報道が中心のようです。うちでもちょくちょく記事転載させてもらってるzakzakあたりも完全にそっち寄りの報... [続きを読む]

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» 植草氏支援バナーが76になりました。早く100の大台に乗せたいです。脱米救国バナーとの組合せもうれしかった。感謝、感謝。 [雑談日記(徒然なるままに、。)]
 76番目は「ねんきんどっとネット」です。訪問してやってください。それにしても [続きを読む]

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