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日中国交35周年 肩ひじ張らぬ友好関係へ

 日中国交正常化の共同声明調印から二十九日で、三十五周年を迎えた。拡大する民間交流に比べて遅れていた政治にも、アジア外交重視の福田政権誕生によって前進の兆しが見え始めた。

 中国の経済成長に衰えは見えない。人口十三億人の巨大市場へ、海外から企業進出や投資の視線が注がれる。二〇〇八年には北京五輪、一〇年には上海万博と国際イベントが控え、先進国の仲間入りをと意気込む。

 一方で、発展に伴う負の問題も抱える。石油や石炭など化石燃料の消費量が増大し、温室効果ガスの排出による国を越えた環境破壊が深刻化している。知的財産権保護や製品の安全性をめぐっても不信が募っている。

 善きにつけあしきにつけ、中国が世界に及ぼす影響力は大きい。自国のためだけでなく、国際社会に果たす役割の重さをしっかり認識して行動していかなければ、先進国入りはおぼつかない。

 こうした中で、日中関係を強めることが双方の発展にとってますます重要になってきた。たとえば環境やエネルギー、経済など利害対立があっても粘り強い協議によって信頼を築けば、両国はもちろん世界にも貢献することになるだろう。

 日中両国間での民間レベルの交流は盛んだ。国土交通省などによると、今年一―七月に中国からの訪日旅行者は約五十三万八千人で前年同期比約15%増だった。直接見聞きし、ふれあうことが双方の理解につながっていく。

 政治も追いつかなければならない。小泉純一郎元首相の時は靖国神社参拝をめぐってぎくしゃくし、相互訪問による首脳会談が途切れてしまった。安倍晋三前首相の訪中と、温家宝首相の来日によって冷えきった関係は修復されつつある。

 後を受ける福田康夫首相に中国側の期待は大きい。父の福田赳夫氏が首相当時に日中平和友好条約が結ばれたことや、福田首相も日中関係の改善に意欲的なためだ。温首相は二十七日、日中国交正常化三十五周年を前に訪中した日本経団連の御手洗冨士夫会長、森喜朗、村山富市の両元首相と立て続けに会談、対日重視の姿勢を示した。

 日中国交正常化は当時の田中角栄、周恩来両首相が調印したが、日中覚書貿易の中心的役割を担った岡山県名誉県民、岡崎嘉平太氏らの熱い思いと努力に支えられ達成したものである。この三十五年間、紆余(うよ)曲折はあったが、互恵を基本に友好を深化させ、肩ひじ張らない近隣関係を築いていきたい。


世界遺産提案 地域の熱意盛り上げよう

 世界遺産登録を目指す岡山県は、岡山藩郡代津田永忠が手掛けた遺構など「近世岡山の文化・土木遺産群―岡山藩郡代津田永忠の事績」を候補とする提案書を岡山、備前、赤磐、和気の三市一町と共同で文化庁に提出した。登録実現に向けた第一歩と評価したい。

 遺産群は三市一町に分布する十四件からなる。国の特別史跡・閑谷学校(備前市)、特別名勝・岡山後楽園(岡山市)は単独でも日本を代表する文化遺産だ。パナマ運河のような閘門(こうもん)式構造では国内最古とされる倉安川吉井水門(同市)なども含まれる。

 提案書では、池田光政、綱政と二代の藩主に仕えた永忠という傑出した人物が指揮・監督した技術集団が一連の事業を行った点をまずアピールしている。そのうえで、高度な石材加工技術が他地域や近代に継承されたと指摘、土木・文化遺産が当時の領民の生活・文化の向上に大きく貢献し、現在に至る地域の歴史的・文化的風土をつくり出した、と意義付けている。

 文化庁による世界文化遺産候補の公募は今年が二回目だ。十二道府県から「天橋立」「足尾銅山」など計十三件が名乗りを上げた。文化庁は、昨年の公募で継続審議となった二十件と合わせて検討した上で、世界文化遺産への登録の前提となる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の暫定リストに掲載申請する候補を来年決める。ライバルは多く、登録までのハードルは高い。

 保存管理体制など課題は多いが、何よりも鍵を握るのは、遺産の普遍的な価値を理解し、後世に伝えていこうとする県民の熱意である。各種民間団体による「登録推進応援ネットワーク」も発足した。一層の運動盛り上げを図らねばなるまい。

(2007年9月29日掲載)
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