市立室蘭総合病院は28日までに、診療報酬請求業務(レセプト業務)を委託している第三セクターの室蘭リゾート開発との契約を本年度で打ち切ることを決めた。20年度からは公募型入札で委託先を選定する。約50人の職員の引き継ぎを条件とする。医療事務の高度化を図り、収益改善を目指す。
市立室蘭総合病院は平成17年度に外部経営委員会からの改善提言を受けて以降、不良債務解消に本腰を入れているが、診療報酬のマイナス改定などにより厳しい経営状況が続いているのが背景にある。
市立病院は平成9年に現地移転した時、従来の市職員によるレセプト業務からリ社への委託に見直した。医療事務の実績がない会社への委託に議会から批判が出たが(1)市内に専門会社がない(2)嘱託の継続採用が条件で専門外でも可能(3)3セク活用―などを理由に委託した。18年度の委託料は1億4500万円。
18年度決算での不良債務は10億円超を計上。前年度比で25%増の状況になっている。不良債務比率も起債が制限される10%を超えている状況で、収益の根幹をなす医事部門へのてこ入れが不可欠な状況になっている。
市議会でも医事業務の高度化を求める声が強まっており、今回の判断につながった模様。本年度からは初めてキャリア採用制度を利用して医事業務の専門職員を雇用し「レセプト業務で早くも成果を上げている」(市幹部)という実績もあるという。
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