レールの幅が変えられるフリーゲージトレイン開発順調…佐賀県
九州新幹線長崎(西九州)ルート建設問題に関連し、県は28日の県議会県土整備委員会で、同ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発は順調に進んでいるとの認識を示した。
フリーゲージトレインは、車輪の幅を変えることで、レール幅が異なる新幹線と在来線に自在に乗り入れることができる車両。独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が開発を進めている。同ルートには在来線の線路を活用する区間があることなどから、2004年12月の政府・与党申し合わせで、全国に先駆けての導入が決まった。
県などによると、第1号の車両は、台車の揺れが大きいなどの欠点が判明したため、改良した第2号で基本性能のデータ収集などを行っている。在来線での試験走行が夏場にJR日豊線で計画されていたが、まだ行われておらず、この日の委員会で、開発の遅れを指摘する質問があった。
坂本洋介・新幹線整備推進課長は「新車両の(基本性能の)データがまだ蓄積できていない。安全性確認のため項目も増やして、(北九州市の)JR九州小倉工場内で試験を行っている段階だ。安全性が確認されれば、試験走行を秋に予定していると、国土交通省から聞いている」と答弁した。
実用化のめどについては、「ルート建設が始まっても開業はそれから10年後。(時間的に)実現できると考えている」と述べた。