年金納付率:06年度は実質50%割れ 空洞化を裏付け
06年度の国民年金保険料の実質納付率が49.0%となり、初めて5割を切ったことが社会保険庁の調べで25日、明らかになった。社保庁は06年度の納付率を66.3%と公表しているが、これは保険料を免除されている人などを除いて計算している。全加入者で見た場合、保険料を払っているのは2人に1人いないことになり、国民年金の空洞化が一層進んでいることが裏付けられた。 06年度の国民年金加入者は2123万人。このうち未納者は322万人だが、未納とは別に、所得が低く保険料を免除されている人が320万人、猶予されている人が208万人いる。社保庁はこうした制度上保険料を払わなくてもいい人を納付率の計算に含めておらず、06年度の公式納付率は前年度比0.8ポイント減の66.3%としている。 ただ、民主党は「実勢を反映していない」として、全加入者を対象とした納付率の算出を求めており、社保庁が試算した結果、06年度は前年度比1.1ポイント減の49.0%だった。公式納付率は03〜05年度に3年連続で上昇したのに対し、01年度に54.2%あった実質納付率は低下の一途をたどっており、公式の数値は免除者を除くことで好転していたことがうかがえる。実質納付率が50%を割ったことで、基礎年金(国民年金)を全額税でまかなう税方式導入論に火が付く可能性もある。【吉田啓志】 毎日新聞 2007年9月26日 3時00分
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