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ダライ・ラマ、独首相府で会談へ 中国側は猛反発

 ドイツのメルケル首相は23日、ベルリンでチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世と会談する。ドイツの首相がダライ・ラマと会談するのは初めてで、中国の人権問題が主要議題になるとみられる。独政府は今回の会談を「私的な意見交換の場」と位置付けているが、これまで数回訪独しているダライ・ラマを、初めて独首相府に招き入れる。これに対し、中国政府は反発を強め、受け入れをキャンセルするようドイツ側に圧力をかけている。

 ドイツはシュレーダー前政権時代、国連安全保障理事会常任理事国入りを目指していたことに加え、中国が世界最大の市場を持つことから、中国政府の顔色をうかがいながら対中外交を進めてきた。しかし、独裁国家の旧東ドイツで育ち、人権の重要性を肌で知るメルケル首相はこうした外交姿勢を修正し、先月末に訪中した際も中国政府に人権の大切さを訴えた。

 今回の会談は、来夏の北京五輪を控え、自国の成熟度を世界にアピールしたい中国に対し、さらに圧力をかける狙いもある。

 これに対し、中国側は激しく反発、同国外務省は14日、シェーファー駐北京ドイツ大使を呼びつけ、詳細な説明を求めた。18日も「ダライ・ラマは(中国からの)分離活動を行う政治亡命者だ」と、改めて会談中止を呼びかけた。

 独誌シュピーゲルによれば、独経済界の中では今回の会談実施によって、独中間の経済交流に支障が出ると懸念する声も出始めている。だが、ウィルヘルム独政府報道官は「人権問題は、中国側といつも話し合っている議題だ。独中間だけでなく、欧州連合(EU)と中国との間の議題(でもあり重要)だ」と強調している。

 在独チベット関連団体代表は「チベットは今ほど、国際社会の支持を必要としているときはない。ドイツは重要な役割を果たし得る」と話す。

 ダライ・ラマはシュピーゲル誌に対し、「ドイツの指導者は要職に就く前は私に会いたがるのだが、要職就任後は、中国を苛立たせないよう私を避けるのが一般的だった」と語り、メルケル首相に期待感を表明している。(ベルリン=黒沢潤)

(2007/09/22 19:20)

 
 
 

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