「学生無年金」に合憲 原告5人の敗訴確定
 | 上告審判決のため最高裁に入る原告ら=28日午後 |
|
20歳以上の学生の国民年金への加入が任意だった時代に障害を負った元学生5人が、未加入を理由に障害基礎年金を受け取れないのは違憲などとして、不支給処分取り消しと損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は28日、原告の上告を棄却、元学生敗訴の2審判決が確定した。
学生無年金訴訟をめぐる初の最高裁判決。津野修裁判長は立法府の幅広い裁量権を認め「保険料の負担能力や加入の必要性・実益性から、学生を任意加入としたことは合理的理由のない不当な差別的扱いではない」とし、国民年金法の規定を合憲と判断。1991年の改正法施行まで強制加入にしなかった点も「立法の不作為」に当たらないとした。
同種訴訟は9地裁で起こされ、今回の2件の東京、新潟両地裁と広島の計3地裁が違憲判断を示したが、高裁ではいずれも棄却された。