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ヒル次官補「核無力化、3施設優先」 次段階へ柔軟姿勢

2007年09月26日16時41分

 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議を前に日本に立ち寄ったヒル米国務次官補(米首席代表)は26日午前、米大使館で朝日新聞記者らとのインタビューに応じ、北朝鮮に求めている「核の無能力化」について、「すべてではなく、主要な計画(施設)」で応じれば、次の段階に移行することができるとの考えを示した。北朝鮮に対する米国の柔軟姿勢を示したもので、拉致問題の進展を求める日本側とのずれが生じる可能性もある。

 ヒル次官補は「主要な計画」について、現在約50キロある兵器用プルトニウムを追加生産できなくするため、寧辺の核施設を念頭に(1)再処理施設(2)原子炉(3)燃料貯蔵施設――の3施設の無能力化を優先すると指摘。「車を解体するには、主要なパーツを抜けばいい」と語った。「北朝鮮が早期に再開することができないようにした上で、その間に次の段階に向けた基盤づくりを目指したい」と述べた。

 一方で、詳細が判明していない高濃縮ウラン(HEU)計画について「(放置すれば)裏口を開けたまま表玄関を閉めるようなものだ」と述べ、今回の協議で取り上げ、無能力化を目指す考えを示した。

 北朝鮮を米のテロ支援国家リストから除外する問題で、正常化に向けた米朝間の一連の相互措置に「拉致問題」を含めるか、との問いには「交渉戦略については語らない」と明言を避け、「日米関係に問題が生じない方向」で進めると述べるにとどまった。

 北朝鮮が核開発能力をシリアに移転しているとの一部報道について「機密情報だ」として確認を避けたが、「(核、ミサイル技術の)拡散問題は大きな懸念だ」と述べ、6者協議で取り上げる考えを示した。

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