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【国際】

シリア施設から北の核物質 空爆前イスラエルが押収 英紙報道

2007年9月24日 朝刊

 【ロンドン=岡安大助】二十三日付の英紙サンデー・タイムズは、米国とイスラエルの消息筋の情報として、今月六日にイスラエル軍機がシリア北部の軍事施設を空爆する前にイスラエル特殊部隊が同施設を急襲し、北朝鮮製の核物質を押収していたと報じた。米国は核物質を確認した上で空爆を承認したという。

 イスラエルの突然の空爆をめぐり、米メディアでは北朝鮮によるシリアへの核開発協力疑惑を指摘する報道が過熱。米国とイスラエルはノーコメントの姿勢を貫き、シリアは「でっちあげ記事に価値はない」と否定してきた。しかし、イスラエルの核物質押収が事実とすれば北朝鮮によるシリアへの核技術供与を裏付ける有力な証拠となり、今後の米朝関係や六カ国協議の行方に大きな影響を及ぼしそうだ。

 同紙によると、六月に就任したイスラエルのバラク国防相が、シリア北部の軍事施設に注目。数カ月にわたる監視活動の結果、北朝鮮技術者が出入りし核物質が持ち込まれている可能性があると今夏、ブッシュ米大統領に伝えた。

 イスラエルはシリア空爆計画を作成したが、米側がいったんストップをかけ核開発を示す明確な証拠を要求。このため、同国防相の指揮する特殊部隊「サエレット・マトカル」が同施設を急襲した。日時は不明だが、この攻撃で北朝鮮技術者数人が死亡したもようだ。

 イスラエルは押収品を調査し、核物質が北朝鮮製であることを確認。その後、米国はイスラエルの空爆を認めたとしている。

 朝鮮中央通信によると今月二十一日、シリアの与党幹部が平壌を訪れ崔泰福(チェ・テボク)朝鮮労働党書記と会談した。サンデー・タイムズは、この問題で対応を協議したことを裏付ける動きとしている。

 

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