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火災:原爆に耐えた広島の神社全焼 不審火の可能性も
全焼した邇保姫神社=広島市南区西本浦町で27日午前10時24分、本社ヘリから北村隆夫撮影

 27日午前1時半ごろ、広島市南区西本浦町の邇保姫(にほひめ)神社から出火、木造の社殿と社務所、倉庫2棟の計4棟延べ約450平方メートルを全焼した。けが人はなかった。社殿は18世紀初めの建立で、原爆投下時の爆風にも耐え、広島市の被爆建物リストに登録されていた。

 県警広島南署などの調べでは、26日午後5時10分ごろに禰宜(ねぎ)の男性(52)が社殿を施錠して神社を出てからは無人だった。火の気がないことから不審火の可能性もあるとみて、出火原因を調べている。

 同神社は原爆の爆心地から南東約3.6キロ。渡部英麿宮司(83)によると、爆風で社殿は傾いて扉は吹き飛んだが、屋根や壁は残ったため、被爆して家を失った人たちの避難所となったという。

 渡部宮司は「消防車の音で目が覚めた時には、空が真っ赤でどうしようもできなかった。原爆の被害も免れた神社だったのに」と声を落とした。近くに住む自営業の男性(52)は「10月下旬の秋祭りに使うみこしなども燃えてしまった。取り返しがつかない」と話した。【大沢瑞季、井上梢】

毎日新聞 2007年9月27日 11時33分 (最終更新時間 9月27日 12時02分)

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