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【政治】

『署名なし死刑執行を』 鳩山法相、辞職後会見で

2007年9月25日 夕刊

 鳩山邦夫法相は二十五日、内閣総辞職後の記者会見で、死刑執行について「法相が絡まなくても、自動的に客観的に進むような方法を考えてはどうか」と述べ、法相の署名がなくても執行できるように制度を変更すべきとの考えを示した。

 鳩山法相は「判決確定後六カ月以内に法相が執行を命令しなくてはならないという法律は守られるべきだ。しかし、誰も死刑執行の署名をしたいとは思わず、法相に責任をおっかぶせる形ではない方法がないかと思う」と語った。

 刑の執行は通常、検察官が指揮するが、死刑は「重大性を考慮し特に慎重を期する必要がある」とされているため、法相の命令が必要。法務省刑事局などが裁判記録を精査したり死刑囚の精神状態を検討したりするなど慎重な手続きを踏んだ上で、法相に署名するよう求めている。

 鳩山法相は会見で「わが国は三審制を採用し、最高裁裁判官の国民審査制度もある」と指摘。今回の提案は、日本の司法制度に対する信頼が前提にあるとしている。

 法相就任後の会見で「検討する」としていた刑を執行された死刑囚の氏名公表については「(死刑囚の)遺族の問題やほかの死刑囚の心情の問題があるので、公表する考えはない」と述べた。

 

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