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「求刑軽すぎる」 ステーキ店強姦事件で求刑上回る判決

2007年09月27日

 大阪・ミナミのステーキ店「ペッパーランチ心斎橋店」で5月、女性客が拉致、強姦(ごうかん)された事件で、強盗強姦と逮捕監禁の罪に問われた元店長北山大輔被告(25)と、元店員三宅正信被告(25)の判決が26日、大阪地裁であった。杉田宗久裁判長は、北山被告について「店長の立場を悪用した前代未聞の事件で、社会に大きな衝撃を与えた。求刑は軽すぎる」と述べ、検察側の求刑を2年上回る懲役12年を言い渡した。三宅被告については求刑通り懲役10年とした。

 杉田裁判長は北山被告への量刑理由で、過去の同種事件に比べても犯行は悪質▽刑法改正(04年)で集団強姦罪が新設されるなど、複数による強姦行為は違法性が高い――などと指摘。「被害女性は偶然訪れた飲食店で想像もしない犯行に巻き込まれ、その苦痛や恐怖、屈辱感などは計り知れない」と述べた。

 杉田裁判長は過去にも求刑を上回る判決を出している。強姦や強盗罪などに問われた男性被告に対する04年10月の判決では「被害者保護の見地から、検察の求刑には到底賛同できない」として、2年上乗せして懲役14年とした。道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた男性被告に対する06年9月の判決でも、過去の違反歴から「常習的で極めて悪質」と指摘。検察官の求刑を「軽すぎる」と批判し、4カ月上回る懲役1年執行猶予5年を宣告した。

 判決によると、北山被告と三宅被告は5月9日未明、大阪市中央区の店内で食事中の20代の女性客にスタンガンを突きつけ、現金5万5千円入りのかばんを強奪。女性に睡眠薬を飲ませて車で連れ去り、大阪府泉佐野市のガレージで強姦した後、女性が自力で逃げ出すまで車内に監禁した。

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